始める前に知っておきたい不動産投資の20のリスク
老後の収入が年金だけでは不安という方が多いこの時代に、将来資産として残り、家賃収入が見込める不動産投資はとても魅力的ですよね。
その反面、リスクや失敗談も多く聞こえ、何が事実かわからない…ちょっと自分には難しいのではないか、と漠然とした不安を感じてと諦める方も多いのでないでしょうか。
しかし、リスクはあらかじめを知っておくことで、回避や対処など事前に備えることができ、さらに、自分に合った運用がしやすくなるかと思います。
今回は不動産投資のリスクについて詳しくご紹介します。
目次
不動産投資を始める前にリスクを知っておくメリット
リスクをあらかじめ知っておくことで、実際に問題が起きる前に回避できるほか、避け様のない災害が起きても損害を最小にとどめる対処を行うことができる可能性が格段に上がります。
不動産投資にかかる費用は「そんなこと聞いていない」で済まされる金額でないことがほとんどです。
沢山のリスクを目にすることで不安が高まるという方もおられるかもしれませんが、今回ご紹介するリスクは不安を煽るためのものではなく、これから始める投資活動で大きな失敗しないために、あらかじめ知っておくべき項目だと前向きに捉えていただけますと幸いです。
不動産投資のリスクが発生するタイミングは3つ
これから紹介するように不動産投資には様々なリスクが存在しますが、起こるタイミングによって分類することができます。
どのタイミングにどのようなリスクが潜んでいるかを知っておくことで、それぞれどのような対策を行えばよいか、整理し、不安にとらわれることなく運用できるかと思います。
長期の運用となることが多い不動産投資ですが、リスクを意識すべき時期を3つに分けると以下の3つになります。
- 購入・契約時
- 運用期間中
- 売却時
この3つのタイミングでそれぞれ気をつけたいリスク要因を紹介していきます。
購入・契約時に知っておきたい10のリスク要因
購入・契約段階ですでにリスクは大いに潜んでいます。
購入段階で気が大きくなる人も慎重になりすぎる人も、この時点でリスクを察知することで避けるべき物件・契約を見極められるかと思います。
1. 適正でない賃料
適正でない家賃設定はリスクになり得ます。
新築当初は高い家賃でも借り手は見つかりやすいですが、立地などがよほどの好条件でない限り、ずっと同じ賃料で貸し続けられるとは限りません。
逆に、空室を避けるために安く設定すると、周辺物件も値下げを始め、対抗し続けると収益が減り大きな損失が出る可能性があります。
周辺の物件情報をみて、だいたいの家賃を予想しておくと良いでしょう。
2.家賃保証契約(サブリース)
物件の借主が決まらない場合も、家賃収入が保証される家賃保証があるかどうかを、契約時にチェックされる方は多いのではないでしょうか。
この家賃保証契約ですが、オーナーが家賃を決められなくなったり、保証期間後のアフターフォローがなかったりと、意外な落とし穴も散見されます。
しかし、きちんと内容を確認して契約することで、不動産の大きなリスクである空室問題に対処できる大きなメリットがあります。
3.リフォーム・修繕費用がかかる
中古物件の場合、契約前に中の状況がわからないことがあり、買った後に原状回復や設備交換などの大規模な修繕が必要になり、リフォーム費用が多額にかかることがあります。
立地や築浅など書面上では魅力的な物件でも、できるだけ実地に足を運び、内見できない場合も修繕状況などを確認しておくことで、想定外のリフォーム費用に悩まされることはないでしょう。
4.現実的でない利回り
高い利回り・収益率が表示されている物件もありますが、賃料がMAXで入ってくること前提での試算がほとんどですので現実的ではありません。
たとえば地方の物件は、比較的利回りが高いと言われていますが、それは物件自体の価格が安いからという単純な理由です。入居者が確保できる場合は高利回りで運用できますが、地方で立地も悪ければ空室や家賃の値下げは避けることができないでしょう。
高利回り物件は、家賃が適正であるか、将来的にも入居者が見込めるかどうかなどよく吟味することが大切です。
5.立地に潜むリスク
今はとても賑やかな駅前物件でも、少子高齢化が進んでいる地域であったり、大企業や学校の移転などで人口が減少したりしていると、将来的には空室が増える可能性があります。
また、都心部で開発が進んでいる地域の場合、競合が増える恐れがありますし、近年注目を集める生産緑地法改正などの影響を受けないかどうかも重要です。
また、いくら利便性がよくても、ハザードマップ上で、土砂崩れや河川の氾濫などの影響を受けやすい地域も天災リスクが高くなります。
人口増減や大型施設の移転、政策の影響などその地域にまつわる情報をできるだけ収集し、災害の影響も受けにくい場所かどうかもチェックしておくことでリスクに備え、さらに良い物件を見つけられる手がかりになるのでおすすめです。
6.節税という売り文句
かつては「投資用マンションで節税」は売り文句でしたが、最近はメリットとして言わない不動産会社も増えました。 というのも、購入してから赤字になりやすい最初の期間は所得税や住民税を節税できるけれど、長く持つことで黒字化すると納税額が増え、事実上節税にならないことがほとんどだからです。
しかし、相続税においては現金よりも不動産で持っていた方が節税になりますので、相続を視野に入れた投資であれば有効な節税手段となるでしょう。
7.ローンのリスク
ローンを組む、つまり金融機関から融資を受け借金をすることになりますので、今後の借り入れなどに影響する可能性もあります。
融資をどれだけ受けられるかは、ご自身や勤務先の信用状況によりますので、今後も自宅の購入や車の購入など大きな出費が度重なるようでしたら、借り入れの上限がいくらくらいなのか一度金融機関などで相談してみることがおすすめです。
8.区分所有か棟所有か
マンション投資を考えられている方なら、区分で買うか、1棟丸ごと買うか1度は迷われるのではないでしょうか。
区分だとその1室が埋まらないと収入が0になるリスクがあり、1棟だと莫大な借り入れというリスクを負うことになります。
区分か1棟かは、それぞれの懐事情に左右されるところも大きいかと思いますが、どちらにしても、購入時に魅力的な物件を選ぶことが大切です。
9.調べすぎて買い時を逃す
「あのとき買っておけば…」という後悔はつきものですが、不動産など高い買い物の場合「あのとき買わなければ…」という後悔をしたくないという気持ちも当然強まると思います。
しかし、事態は刻々と変わりますし、これがベストだと思っていた物件を購入後さらに好条件の物件が公開されたり、気にかけていた物件について念入りに調べている最中に他の買い手が付いてしまったりする可能性もあり、なかなか決められないことも多いかと思われます。
「定年後の収入源にしたい」など、目的を明確にするとないものねだりになりにくいようです。「定年後すぐ受け取れるように、ローン返済期間に合わせて始める」など、あらかじめ区切りを決めておくのが良いでしょう。
10.家庭崩壊!?
冗談と思われるかもしれませんが、ご家庭のある方の場合、不動産投資契約で家庭崩壊の危機を招くというリスクがあります。
たとえばご夫婦の旦那様が収益物件を購入したいと思っているとき、奥様同席で2人が納得して決められるとベストですが、家計を握る奥様を旦那様が説得して契約成立に至ることもあります。
しかし、いざ契約となっても奥様が同席を拒む・話を聞かない・反対することもありますし、最悪の場合、「このまま勝手に話を進めるなら離婚をする」などど、家庭崩壊の危機にさらされる恐れがあります。
不動産を買うということは人生設計に大きく影響する出来事ですので、夫婦間の価値観のズレが浮き彫りになる可能性があります。
すべて決めてからご家族の了承を得るのではなく、検討段階で相談してしっかり方針を決めておくことがおすすめです。
運用期間中に気をつけたい6のリスク要因
収益物件を購入した場合、売却するまでのその後の人生は運用期間となります。
運用期間中に起こるリスクは事故や災害のように予測不可能なものもありますが、リスクを知った上で起こり得る事態を想定しておくことにより、事前の対策や早急な対処が可能になります。
1.空室・収入減リスク
購入当初は人気エリアの築浅物件でも、建物の老朽化や周囲の人口減少などの情勢により人気がなくなると、空室になってしまう可能性があります。
物件が空室になると家賃が入らなくなります。入居者を募るために、やむを得ず家賃を下げると収入は0にはならないものの、購入当初見込んでいた家賃収入が得られなくなります。
空室を避けるには 家賃保証契約を利用すると良いですが、家賃保証契約の内容によっては、更新時に保証賃料を値下げせざるを得ない可能性があります。
その他の方法としてはリフォームなどで物件の魅力を上げる・敷礼ゼロなどキャンペーンを行うなどの工夫が必要になります。
2.天災・火事
人間の力ではどうしようもない地震などの自然災害や、火事で物件が損傷、倒壊する恐れがあります。
こういった場合、必ず加入が必要な火災保険の内容や、任意で加入する地震保険、そしてそれ以外にも管理会社で何らかの保証があるか、確認しておくことがおすすめです。
そして実際に起こった時にかかる費用や、どのような行動を起こせばよいのかをあらかじめ調べておくと良いでしょう。
3.入居者のトラブル
物件で事件や自殺などが起きると重要説明事項に載せなければならなくなり、空室リスクや賃料・物件価格低下のリスクを招きます。
そのような場合も、事故物件でも借主を見つける経路があるか、手放すときの注意点などあらかじめ確認しておくと安心かもしれません。
また、入居者が家賃を滞納したり、夜逃げしたりするというリスクがあります。
滞納者に対する取立ては日々負担になりますし、夜逃げされた場合は家賃の回収が難しいだけでなく、残された家財の扱いなどかなりの面倒が起きてしまいます。
まず、空室だからといって審査をおざなりにせず、入居審査の段階で慎重に判断し、実際に起きた時は、管理会社や保証会社、専門家に相談しながら解決していきましょう。保証会社を使うのも1つの手です。
4.不動産投資会社内で連携が取れていない
不動産投資会社の中で、販売部門と賃貸の斡旋などを行う運用部門が完全に分かれている場合、営業時の担当者と運用時の担当者間で意見の食い違いがあり、オーナーが思っていた運用ができない可能性があります。
たとえば、購入段階では高めに設定されていた賃料が、運用段階に移行してから「高すぎて空室になるので落としますね」ということになり減収してしまいます
そこでオーナーが「契約のときと話が違う」と掛け合うと、営業と運用で「言った」「言ってない」の争いになり、オーナーの意思によらず話が進まないケースもあるので、重要な意思決定の遅れにつながる恐れがあります。
不動産投資会社は営業も運用もワンストップで連携して行っている会社・担当者間のつながりがしっかりしている会社が安心かと思います。
5.ローン返済の重圧
ローンには金利が変わらない固定金利型と、金利動向によって金利が変わる変動金利型があり、つい金利の安い変動金利型に目が行きがちです。
しかし、変動金利型の場合、金利が上昇し、返済額が想定以上に増えるというリスクがあります。
景気の変動は予測できません、今後の人生のうち長い期間支払うことになるローンについては、目先の返済額にとらわれず、長い目で見て自分に合ったものを選び、いざという時には繰上げ返済ができるように資金準備をしておきましょう。
月々の返済に苦しまれている時に魅力的に映る「借り換え」による思わぬ失敗もあります。
「所有物件のローンの月々の返済額が安くできますよ」と勧誘され借り換えると、月々の返済額は安くなるけど、返済期間が伸び、結果的に金利・返済額が増えてしまうというケースです。
この場合、月々の浮いた返済額でもう1件物件購入することを勧めてくるパターンが多いようです。
結果的に返済期間を延ばす借り換えを行ったとみなされ金融機関からの信用がなくなり、他の融資を受けられなくなる可能性があります。
金融機関の担当者もだまされて借り換えを行ったとわかっていても社内ルールにのっとって判断するのでどうしようもありません。
ローンを組む段階で無理のない計画を立て、どうしても借り換えが必要な場合はよく吟味してから行動することがおすすめです。
6.謄本を見て営業をされる
物件を取得すると不動産登記簿に載るので、申請さえすれば誰でも入手可能なため、業者からの営業が増える可能性があります。
しかも物件を買ったこともわかる資料なので、新たに不動産を買わないかという営業のほか、買った物件を売って欲しいという営業もありますし、ネット回線などインフラの営業も来ることがあるようです。
物件取得後に不審な営業があった場合は、そのような入手経路があることも踏まえて、慎重に対応してください。
売却時に潜む4つのリスク要因
運用しようと思って購入した物件でも、何らかの事情で手放す必要が出る可能性があるので、契約や運用にあたり売却時のリスクを視野に入れておくとよいでしょう。
1.想定していた値段で売れない
何年後だいたいいくらくらいで売れるだろうと想定していても、実際その段階で、金融機関の査定額が思った以上に安く、想定していた金額で売れない場合があり大損することがあります。
買った時の価格で売れる訳ではないことは念頭に置き、その時の相場を見ておきましょう。
2.不動産会社からの営業(不安をあおる営業・想定外の安値)
「買いませんか」という営業がある一方で、もちろん「売りませんか」という営業もあります。
営業時に、所有者に必要以上の不安を煽って売らせたり、価格を想定以上に安く売らせたりする業者も存在します。
根拠なく「この土地は危ない」「数年後価値が下がる」、「安いと思うかもしれないけど今後もっと値段が下がるから今売るのがベスト」など、安く買い叩くための巧妙な営業トークを繰り広げます。
煽られても、その場で返事をせず一度冷静に考えなおしてみてください。
3.調べすぎて売り時を逃す
買い時と同様、調べすぎると結局いつ、どこの会社で、いくらで売ればいいのかわからなくなりどんどんタイミングを逃してしまいます。
買う時と違って、売る時、特に家計が圧迫させて手放そうと思っている時、早めに思い切らないと余計に大変な思いをすることになります。
「いつまでに売る」「●円で売れるならすぐ売る」など、決めた上で、焦らず冷静に行動しましょう。
4.委託する業者は信用できるか
物件を売るときは、どうせ売るなら高く売りたい、なるべく早く売りたい、と必死になられている方が多くなり、販売業者との契約で失敗することもあります。
たとえば、不動産会社1社だけに売却を委託する専属専任媒介契約にもリスクが潜んでいます。
任せられた1社が自分の物件のために積極的に売却活動をしてくれるというメリットがあるものの、一定期間はその業者でしか売却活動ができないことにつけこみ、売れないような値段であっても契約を結び、「精一杯やったけど…」と結果的に値下げを提案してくるケースがあるようです。
購入段階で出口戦略まで請け負ってくれる不動産投資会社を選び、しっかり関係を作っていくと良いかもしれません。
成功する人はリスクを知ってから運用している
20個の不動産投資のリスクを紹介しましたが、あまりにも沢山あって驚かれた方もおられるのではないでしょうか。
不動産投資は株やFXなどのように短期で大きなお金が得られる「成功」したかどうかわかりやすい投資ではありませんが、長期的に安定した収益を得て、良い状態の不動産を資産として残すことが不動産投資における「成功」なのではないかと思います。
そのためには事前に、リスクをしっかり調べておき、慎重になるべき契約時、人生の中でも長い年数を占めることになる運用期間中、そして最後までしっかり収支を意識したい売却時、それぞれのタイミングで起こる問題に対処していくことが大切です。
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不動産投資の成功には、信頼できるパートナーの存在が必要不可欠です。
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