知っていますか?不動産投資の2つの利回り計算&高利回り物件のカラクリ

不動産利回り計算

 

不動産投資を始めるとなると、まずは「どんな物件がいいかな?」と、ポータルサイトなどで物件情報を調べる方が多いのではないでしょうか?

そんなとき、つい目が行きがちな「利回り」

 

実際に住むのではなく投資用の物件を購入する場合、「どうせなら儲かる物件を買いたい……」と考えますよね。

ただ、物件情報に掲載されている利回りを見る際には注意点があります。利回り計算の仕組みをご存知でない場合、買ってから後悔する可能性が否めません。

 

今回は、不動産投資の2つの利回り計算方法と、高利回り物件のカラクリや注意点を解説します。

2つの利回り計算方法|表面利回りと実質利回りの違いを知っていますか?

不動産投資の物件選びの指標となる利回りには、「表面利回り」「実質利回り」と呼ばれる2つの計算方法があります。

ポータルサイトに掲載されている利回りや、多くの人が「利回り」と認識しているのは前者の「表面利回り」が多いようです。

 

両者の違いを簡単に説明すると、「売上」と「利益」の違いのようなものですが、ここから詳しく説明していきます。

表面利回り|年間家賃(売上)から経費を引かない

グロス利回りとも呼ばれる「表面利回り」は、表面的な儲け、つまり家賃収入から経費などを差し引かない、いわゆる「売上」をベースに計算された利回りです。

下記の計算式で算出され、%表記となります。

 

【表面利回り】=【年間の家賃収入÷物件の価格×100】

(例)物件価格2,000万円、家賃月8万円の場合の表面利回り

・年間の家賃収入=8万円×12ヶ月=96万円
・96万÷2000万×100=4.8%

実質利回り|年間家賃から経費などの支出を差し引いた利益から算出

実質利回りは明確な定義はされていませんが、その名の通り、実際に運用した時に得られる利益から算出される利回りです。

 

家賃収入があるといえど、月々の経費のほか、固定資産税などもかかってくるので、その分を差し引いた金額が実際の儲けとなります。

計算式は以下のようになります。

 

【実質利回り】=【(年間の家賃収入 – 年間支出) ÷ 物件価格 × 100】

家賃収入から差し引かれる「年間支出」には次のような項目が含まれます。

 

[年間支出の内訳]

  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税
  • 管理委託手数料

(例)物件価格2,000万円、家賃月8万円の場合の実質利回り

※年間にかかる管理費・修繕積立金・固定資産税などの支出合計・・・18万円

(96万-18万円)÷2000万×100=3.9%

注目すべきは実質利回り!

実質利回りに注目

表面利回りと実質利回り、どちらを重視すべきかというと、もちろん「実質利回り」です。

かかる経費などの支出は、実際に運営しないとわからない、運営中に変わる可能性もありますが、だいたいの内訳や費用感を知っておくことに損はありません。

 

「表面利回りどおりの儲けが出るわけではない」と知っておくだけでも、物件選びの目が変わるかと思います。

収益を拡大化させていくことを考えていくのであれば、購入時だけでなく運用中も実質利回りをしっかり計算して、経営状態を把握しておくことが大切です。

高利回り物件のカラクリ|利回り10%を維持するのは現実的でない

ここまでの流れで、カンの良い方はお気づきかと思いますが、ポータルサイトなどに掲載されている利回りはまずだいたいが表面利回りです。

利回り10%以上の物件、いわゆる高利回り物件の利回りも表面利回りであることが多いので、注意してください。

 

高利回り物件の多くは地方の物件で、物件価格が安く、「入居者がいることを想定した」高い家賃設定で利回り計算がされています。

もちろんそういった物件の、家賃や入居者を維持することが難しく、家賃の低下や空室リスクにさらされることがあります。

 

利回り10%になる物件価格・家賃の簡単な例を挙げると次のような式になります。

96万円÷960万×100=10%

この計算式になる物件は次のとおりです。

・年間家賃が96万円
→月家賃が8万
・物件価格が960万円

よほどの立地メリットなどがない限り、960万円の物件で8万円の家賃が取れるとは、少々考えにくいです。

入居者がいる高利回り物件の2つのカラクリ

ガッカリする人

「実際に住んでいる人がいてちゃんと家賃収入取れますよ」という物件もありますが、そういった物件でもリスクは存在します。

例えば、たまたま同じ家賃で長く住んでいる人がいるだけで、本来は一度入居者がいなくなると、次の入居者を探すのに時間がかかる物件の可能性があるのです。

 

また他には、利回り維持のために短いスパンで出ていく人を、意図的に入れているというケースもあります。

どちらにせよ、今入居している人が出ていくと、次に入ってくる可能性が低いため、空室リスクが非常に高い物件となるのです。

不動産投資で成功するためには「正しい利回りの認識」が必要

今回は、不動産投資の利回り計算について、詳しく解説しました。

不動産投資を始めるにあたり、気になる物件の利回りですが、高利回りに惑わされず、どのような収支があるのか、しっかりと実質利回りを見極めることが大切です。

 

特に、不慣れなうちは、不確かな家賃収入で利回りを考えることを避け、むしろ「高利回り=怪しい」ぐらいの認識で良いかと思います。

また、「初心者でも高利回り物件なら儲けられますよ」というような業者には注意したほうがいいでしょう。

のってはいけない!怪しい不動産投資のセールストーク

 

物件選びも大切ですが、購入を検討している物件の実質利回りをしっかり解説し、長期的な収益計画を一緒に考えてくれる不動産会社を選ぶことがおすすめです。

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