レバレッジ効果とは?少ない自己資金で不動産投資を始めよう
不動産投資に興味を持っている方なら「レバレッジ効果」という単語を目にしたり、「レバレッジが利くのもメリットですよ!」という営業トークを耳にしたりしたことがあるかもしれません。
レバレッジとは、少ない資金で大きな資本を運用し利益を獲得することです。不動産投資では、融資を活用することで手元の自己資金よりも遥かに大きな資産を運用できます。レバレッジをうまく活用することで利益を上げられますが、返済する金額が増えたり、返済期間が長くなったりするリスクもあるので、正しく理解して運用を進める必要があります。
今回は、不動産投資のレバレッジ効果の仕組みやメリット、デメリットとしての注意点を紹介します。不動産投資を成功させる上で理解しておきたい知識になるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも「レバレッジ」とは?
「レバレッジ」とは、本来は理科(物理)で扱う「テコの原理」、つまり小さな力で大きなものを動かすことを指します。
経済用語としても使われており、一言で表すなら「少ない資金で大きな資本を元とした利益を得ること」です。
つまりは、融資を受けた分で出せる利益のことで、不動産投資では、「ローンを使って少ない自己資金で高額の不動産を運用する」という意味合いで使われています。
自己資金が少なければ少ないほど、レバレッジ率が高いと言えます。
なぜレバレッジ効果が不動産投資のメリットとなるのか
先ほども少し触れましたが、不動産投資はレバレッジ効果を大きく期待できる投資先と言われており、不動産投資のメリットとして「レバレッジが利く」という点があげられることもあります。
レバレッジを利かせて投資を行うメリットは以下の2つです。
- 少ない資金で大きな資産を運用できる
- 自己資金を手元においた状態で不動産投資を行える
【1】少ない資金で大きな資産を運用できる
不動産投資では、手元にある資金が少ない場合でも融資を引くことで大きな資産を運用することができます。
例えば、自己資金が100万円しかない場合でも、2,900万円の融資を引くことで3,000万円の不動産を購入できます。ご自身で貯金などをして3,000万円の自己資金を用意するとなると、長い期間がかかることが想定されますが、融資を引くことですぐに資産運用を開始できます。
もちろん、借り入れたお金を返していく必要がありますが、毎月の返済額よりも家賃収入が上回れば、黒字での不動産経営も可能です。また、地価の変動などにより不動産の価値が上がることもあるので、売却することで借入額よりも多い金額を受け取れる場合もあります。
ご自身の信用情報や持っている資産の状況によって借りられる金額は異なりますが、手元にある現金よりも遥かに大きい金額の資産を運用することができます。
【2】自己資金を手元においてリスク分散が可能
融資を引くことで、手元に現金を残したまま不動産投資を行うことも可能です。
ご自身の信用情報などが高く、融資で借り入れできる金額が多い場合、初期費用などで自己資金をほとんど使わずに不動産投資を始めることもできます。自己資金に余裕を持って運用を進めることで、金利の変動や空室による家賃収入の低下にも対応できるでしょう。
また、自己資金からまとまった金額を繰上げ返済に充てることで、月々の返済額を少なくすることが可能です。
レバレッジ効果がデメリットになる3つのケース
レバレッジ効果はいつでも不動産投資の味方となるわけではありません。
次の3つのケースでは、逆にデメリットにもなりますので注意が必要です。
- 金利が大幅に上昇した場合(=逆レバレッジ)
- 自然災害で倒壊などが起きた場合
- 空室が続く場合
金利の上昇により、金利分の支払いが収益を上回る恐れがあるほか、自然災害や空室により、本来入るはずであった家賃収入がなくなると、見込んでいた収益が得られなくなり採算が合わなくなります。
家賃収入が無くなった場合でも、毎月一定の金額を返済していく必要があるので、できるだけ空室にならないように運用する必要があります。
空室対策について詳しく知りたい方は「低コストでできる3つの空室対策と空室になりにくい物件の選び方」で解説していますので、併せてご覧ください。
物件購入前に知っておきたいレバレッジ効果の3つの注意点
さらに、レバレッジ効果を期待している人ほど気をつけていただきたい、3つの注意点を紹介します。
- レバレッジの高さで物件を選んではいけない
- 誰でも十分な融資を受けられるわけではない
- レバレッジ効果を期待して借り入れをしすぎない
【1】レバレッジの高さで物件を選んではいけない
レバレッジの高さだけだけを考慮して、金額の高い物件を選ぶの控えましょう。
そもそもの話ですが、不動産投資の特徴は、長期運用により安定的な収益を得られることです。物件を選ぶ際はレバレッジよりも、長期的に利益が出るかどうかに注目して物件を選ぶことが大切です。
利回りが高く設定されていて、融資を引くことで黒字のまま運営できそうな物件でも、詳細を確認してみると設定されている利回りが長続きしない場合もあるでしょう。
そうなると、空室が続いたり、家賃を下げる必要が出たりと、結果的には想定していた収益を得られないことがあります。
長期的に安定した収益を上げられる物件を探し、必要に応じて融資を引いてレバレッジを効かせるようにしましょう。
【2】誰でも十分な融資を受けられるわけではない
「あまり貯金がないから不動産投資は諦めていたけどこんな方法があるんだ!早速始めたい!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、融資は誰でもいくらでも受けられるものではありません。
以下のような要因をもとに個人の信用情報を分析し、融資の限度額を決定します。
- 年収
- 勤続年数
- 勤務先の規模(従業員数・小さい会社の場合は資本金など)
- 他社の借入れ状況
信用状況によっては、全額ローンを組めるのではなく、頭金としていくらか自己資金の用意が必要となる可能性があります。
また、「上場企業で年収も高いし、他にローンも組んでないから大丈夫……」と思いきや、「過去にクレジットカードの滞納などをしていたせいで、審査に通らなかった……!」という結果もあるので、日頃から注意が必要です。
ローンの審査について詳しく知りたい方は「不動産投資のローン審査の基礎知識 | 審査の流れも紹介」で解説していますので、併せてご覧ください。
【3】レバレッジ効果を期待して借り入れをしすぎない
デメリットの章でも触れましたが、レバレッジ効果は金利上昇で逆に不利な状況になります。
借入額が大きければ大きいほどローン金利が上がったときに金利による損失が増えていきます。
金利の変動を読むことは難しいですが、返済に苦しまない程度の借り入れにしておくことをおすすめします。
レバレッジ効果を最大限に高めるために行いたい4つのこと
レバレッジ効果を高めるために行いたいことは以下の4つですので、それぞれ解説していきます。
- イールドギャップを明確化して物件を選ぶ
- サブリース契約を結ぶことを検討する
- 不動産投資についての知識を十分身につける
- 収益が出るかシミュレーションを行う
【1】イールドギャップを明確化して物件を選ぶ
イールドギャップを考慮して購入する物件を選びましょう。不動産投資におけるイールドギャップとは「総収益率(FCR) − ローン定数(K)」で算出される数値のことで、イールドギャップの数値が大きいとキャッシュフローが良くなりやすい傾向があります。
総収益率(FCR)とは、物件の実質の利回りのことです。総収益率(FCR)は「営業純利益 ÷ 総投資額」で算出します。また、ローン定数Kは「年間返済額 ÷ 総借入金」で算出します。
例えば、以下の条件で不動産投資をしたときイールドギャップを計算してみましょう。総収益率を1から計算していくには、管理費や光熱費など物件によって大きく異なる数字が必要になってきてしまうため、今回は8.0%と設定します。
【5,000万円の不動産を購入して投資する場合】
購入資金5,000万円
ー自己資金1,000万円
ーローン4,000万円
借入期間:25年
金利:1.5%
年間返済額:約192万円
ローン定数K = 192万円 ÷ 4,000万円 = 4.8%
イールドギャップ = 8% – 4.8% = 3.2%
上記の場合、イールドギャップは3.2%となります。「これ以上なら絶対安全」といった基準は設けられませんが、イールドギャップは2%以上が望ましいです。イールドギャップの数値は物件の立地や状態によるため、数値にこだわるより、どれだけ不動産投資会社が明瞭に提示してくれるか、キャッシュフローを細分化して説明してくれるかを重視しましょう。
イールドギャップを考慮する際は表面利回りではなく、経費を考慮した実質の利回りに基づいて計算しなければいけません。誤った定義づけで投資計画を作ってしまうと失敗につながります。
キャッシュフローに関する疑問を解決したいのであれば、当社「グランヴァン」が開催している無料の不動産投資セミナーへお越しください。初心者の方に向けて不動産投資を分かりやすく解説しています。イールドギャップに関する質問も受け付けておりますので、お気軽にご参加ください。
イールドギャップについて詳しく知りたい方は「イールドギャップとは?あなたが不動産投資で騙されないための知識」をご覧ください。
【2】サブリース契約を結ぶことを検討する
不動産投資を行い際にサブリース契約を結ぶことで空室リスクを回避でき、レバレッジ効果を高めることができます。
サブリース契約とは入居者がいなくても家賃収入を得られる仕組みのことです。自分の物件を不動産会社に貸し出して保証賃料をもらい、その不動産会社が入居者に転貸するという流れになります。
定額の家賃収入が得られるので収支計画を立てやすくなります。また、入居者の対応を行わなくて済むので、不動産投資を行う上での負担も減るでしょう。
ただ、収益性が下がったり、家賃が下がったりするリスクもあります。契約内容を念入りに確認した上で、信用できる不動産業者を選びましょう。
サブリース契約について詳しく知りたい方は「不動産投資でサブリース契約時に失敗しないための6つの注意点」で解説していますので、併せてご覧ください。
【3】不動産投資についての知識を十分身につける
不動産投資では自分で知識を身につけておくことが非常に大切です。
悪質な物件を良い物件のように見せかけて販売する不動産投資詐欺が実際に起きています。知識が備わっていないと、実質利回りや固定資産税の内容が組み込まれていないことなどを見抜くことができません。
知識を身につけ、収益の出る不動産を見極める力をつけましょう。
不動産投資に関する勉強法について詳しく知りたい方は「不動産投資の勉強方法 | 進め方と初心者がおさえるべき内容」で解説していますので、併せてご覧ください。
【4】収益が出るかシミュレーションを行う
収益が出るか入念にシミュレーションを行った上で不動産の購入を進めましょう。
家賃や金利が変動した際のシミュレーションまで行い、将来的にも収益が上がり続ける物件を選ぶことができれば、収益率が高まります。不動産の購入を検討する際は、様々な状況でシミュレーションを行ってくれる不動産業者を選びましょう。
念入りにシミュレーションを行いたいのであれば、「グランヴァン」にお任せください。不動産投資を成功させるために、様々な状況を考慮してシミュレーションを行い、お客様の不安を解消いたします。
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レバレッジ効果は不動産投資の大きなメリット!上手に融資を利用しよう
不動産投資のレバレッジ効果についてお分かりいただけたでしょうか?
「あの人、どうやってマンションを買うお金を貯めたんだろう……?」というサラリーマン大家さんは、このレバレッジ効果を使い、ローンを組んで不動産投資を始めていたのです。
今回紹介したように、借り入れには注意も必要ですが、少ない自己資金で大きな資産運用を始められるのは、不動産投資ならではの大きなメリットです。
「不動産投資はまとまったお金がないと難しいかな……」と思っていた方も、ぜひ一度検討してみてくださいね。
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