投資用中古アパートのリノベーションを行うメリットとデメリット
“築年数40年の中古アパート”というと、「古くて入居者が付きにくそう…」というイメージを持たれている方が多いかもしれません。
確かに、その中古アパート周辺にも同じような間取りの物件がたくさんある場合は、”家賃を大幅に値下げする”などの対策を行わない限り、入居者が入らない可能性が高いと考えられます。
しかし近年は、「中古アパートを大規模リノベーションして、家賃を下げずに入居者がすぐに決まる人気物件になった」という事例が、メディアで取り上げられることが増えてきました。
- 長年持て余している中古アパートをリノベーションすれば、何とかなるかも?
- 破格で売られている中古アパートをリノベーションすれば、利回りがいい好物件になるかも?
上記のような、ポジティブイメージを持たれている方が、いらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、不動産投資をお考えの方に向けて、中古アパートを大規模リノベーションするメリットとデメリットを取り上げました。
目次
中古アパートをリノベーションする3つのメリット
- 入居希望者が増える
- かなり古いアパートでも大幅に家賃を下げなくて済む
- 入居者のターゲットを絞ることができる
中古アパートをリノベーションするメリットは、主に上記の3点です。
以下でそれぞれのメリットを詳しく、解説していきます。
【1】入居希望者が増える
シンプルな話ですが、中古アパートのリノベーションを行い魅力的な物件になれば、入居希望者が増えます。
中古アパートのリノベーションがうまくいけば、仮に入居者ゼロの状態から始めても、すぐに満室になり、退去があっても次の入居者がすぐに決まるという理想的な運用を行える可能性があります。
「普通のお部屋とは違うお部屋に住みたい」と考える単身世帯の方もいるので、大規模リノベーション後の物件は注目を集める可能性が高いです。
【2】かなり古いアパートでも大幅に家賃を下げなくて済む
「かなり古いアパートだから、家賃を引き下げないと入居者が来ない…」というのは、中古アパート運用に関するよくある悩みです。
確かに空室が続くより、家賃を引き下げてでも入居者を入れたほうがいいのですが、その場合は当初想定していた実質利回りよりも低い実質利回りになることを、飲み込まなくてはいけません。
実質利回りが低いと、投資不動産のローン返済がまだ残っている場合、毎月の返済金額を家賃収入から支払うことが難しくなる可能性があります。
また、ローンを完済していたとしても、リノベーションを行っていない古いアパートは頻繁に設備を交換したり、外壁・屋根の修繕工事を行う必要があるので、家賃収入以上のお金が必要になり、不足分を自分のお金から出さなくてはいけなくなる可能性があります。
家賃の大幅な引き下げを行うデメリットは、家賃収入が少なくなり自己資産を圧迫することだけではありません。家賃の安さを受けて、悪質入居者が多く入居する可能性があります。
しかし、中古アパートの大規模リノベーションを行い、物件の見た目も設備も新しくすることで、築年数を感じさせない物件になり、入居希望者からの印象がよくなります。
築年数が古くても、”他の中古アパートと比べてずっといいアパート”であれば、家賃を引き下げずに入居者が決まる可能性が十分あるのです。
【3】入居者のターゲットを絞ることができる
メディアで紹介されているような、中古アパートのリノベーション成功事例は、リノベーション内容に独自性を持たせていることが特徴です。
大規模リノベーション済みの人気物件は、デザイナーズマンションのように、普通の中古アパートとはちょっと違う要素を組みこむことで、他の物件との差別化を図っています。
「どんな人が住みたいと思うお部屋にするのか?」を明確にしてリノベーションを行うと、入居者のターゲットをある程度絞れることが、大規模リノベーションのメリットの1つです。
例えば、周辺の中古アパートの家賃相場より高い家賃に設定しつつ、入居率を上げたい場合は、”家賃が高めでもいいから、住みたいと思えるような部屋づくり”を目指せばいいです。
部屋の設備をグレードアップさせたり、外観やエントランスを高級感のある雰囲気にするなど、様々な工夫が考えられます。
リノベーションの成功事例を多数持つ、実力があるリノベーション会社を探すこと、そして緻密な現地調査を行ってどんなニーズがあるのか研究することが大切です。
⇒ 現地調査を行う際のポイントを詳しく知りたい方はコチラ
※「不動産の現地調査で見るべき15のチェックポイント」のコラムへリンクしています。
中古アパートをリノベーションする4つのデメリット
- リノベーション自体にお金がかかる
- リノベーションの期間中は家賃収入が入らない
- ニーズに合わないリノベーションを行うと効果がない
- 立地条件が悪ければリノベーションの効果がない
中古アパートを大規模リノベーションするデメリットは、主に上記の4点です。
以下でそれぞれのデメリットの内容を、簡単に説明しました。
【1】リノベーション自体にお金がかかる
当然ですが、中古アパートのリノベーション工事にはお金がかかります。
リノベーションにかかる費用はケースバイケースですが、内装工事1㎡あたり10~20万円、水回りの全交換に150万円程度はかかると言われています。
こだわればこだわるほど、リノベーション費用は高くなり、1棟あたり1億円を超えるケースも珍しくありません。
多額のリノベーション費用が必要になる場合、投資家向け(収益物件向け)のリフォームローンを利用することができますが、リノベーションが必ずしも成功するとは限らず、思うように運用ができなければローン返済が苦しくなる可能性があります。
また、自宅リフォームで適用されるリフォーム減税は、投資用アパートリフォームでは適用されないことにも注意が必要です。
【2】リノベーションの期間中は家賃収入が入らない
当然のことですが、リノベーション工事中の部屋に入居者を住まわせることはできません。
つまり、リノベーションの期間中は、その部屋からの家賃収入が入らないことを考慮しなくてはいけません。
仮に何部屋も同時にリノベーション工事を進めていく場合、家賃収入が大幅に少なくなる可能性があるため、月々のローン支払いが残っている方は、手出し費用があるかもしれないと考えておいたほうがいいでしょう。
【3】ニーズに合わないリノベーションを行うと効果がない
調査不足でニーズに合わないリノベーション工事を行ってしまうと、せっかくお金をかけたのに期待していた効果がほとんど生まれないことがあります。
例えば、学生が多い町で高収入者向けのリノベーション工事を行ったとしても、入居者の多くが「設備はそこまで重視しないから、家賃が安い方がいい」と考えているため、結果としてそこまで人気はでません。
また、リノベーションに自分の好みを反映させすぎてしまうことも、失敗の元です。
とがりすぎた物件は、同じ価値観を持つ方には大変気に入ってもらえると思いますが、そうでない方にとっては「面白いけど、住むにはちょっと…」と敬遠されがちです。
リノベーション会社の担当者など、他者の意見もきちんと聞き入れ、”ひとりよがりなアパート”にはしないように注意が必要です。
【4】立地条件が悪ければリノベーションの効果がない
「そもそも、その中古アパートにリノベーションをする価値があるのか?」を考えることも重要です。
例えば、もともと人が少ない過疎エリアに建つ中古アパートの場合。
大規模なリノベーションを行ったところで、そもそもの需要者数が少ないわけですから、リノベーションによりそこまで大きく入居率が上がることは考えにくいです。
特に単身世帯の場合は、通勤のしやすさを重視する方が多い傾向があるので、「地方のリノベーション住み中古アパート」が「都心のマンション」と比べて有利になる可能性は低いと考えられます。
リノベーション前提で投資用の中古アパートを購入するのはリスクが大きい
ここまでの中古アパートリノベーションのメリット・デメリットに関する情報を整理し、「格安中古アパートを購入して、リノベーション工事を行い、高利回り物件にすることは可能なのか?」、考えてみたいと思います。
中古アパートのリノベーションはアイデアの良さによって成功をおさめることがある一方で、多額の費用をかけてリノベーションを行っても入居者が入らず、結果として失敗に終わることもあります。
つまり、リノベーションの効果が絶対的ではない以上、“大幅なリノベーションを前提に、投資用の中古アパートを購入する”ことは避けたほうが良いと思われます。
既に中古アパートを購入・運用していて、空室率の改善や家賃収入のアップを図りたいという方も、大幅なリノベーション工事が最善策だと言えるわけではありません。
(リノベーションとは別に、外壁塗装や屋根塗装、古びた内装・設備のリフォームは適宜必要です。)
そこで、大幅なリノベーション工事を行う前に1部屋ごとの様子を見て、10万円~50万円の少額リノベーション(リフォーム)でも生活のしやすさが変わるところはないか、探してみることを推奨します。
「電気を変えただけで入居者が決まった」という事例もあることから、少額のリフォームでも的を射ていれば、大きな効果が得られる可能性があります。
まとめ
以上、中古アパートのリノベーションのメリットとデメリットについてお伝えしました。
思いつきでリノベーションに踏み切るのではなく、「リノベーションの完了後、家賃を上げて、リノベーションにかかった費用がきちんと回収できるかどうか」、”勝算”が見えてから計画を立てることを推奨します。
- 和室をフローリングに換えてみる
- 押し入れをクローゼットにしてみる
- 3点ユニットバスからバストイレ別に間取りを変えてみる
例えば上記のように、アパート全体にわたる大規模リノベーションを行わなくても、内装の一部のリフォームに着手するだけで、家賃相場より大幅に家賃を引き下げなくても入居者が入る、好物件になる可能性があります。
どんなリノベーション工事を行うのかは独断ではなく、エリアのニーズを知り尽くした信頼できる地域密着型のリノベーション業者に、きちんと相談をすることが大切です。
リノベーションをしても効果が期待できないと推測される場合は、購入を見送り、空室リスクが少ない区分マンションなどの購入を検討してもいいかもしれません。
中古アパートは購入価格が安く表面利回りが高く見えますが、ローンの返済や運用に必要な様々な費用を差し引いた実質利回りは、さほど期待できないからです。
地方アパートの運用ノウハウやリノベーションの費用対効果など、理解すべきことがたくさんあるため、不動産投資初心者にとっては、”中古アパートをフルリノベーションして儲ける”ことは難しいと思われます。
まずはお近くの不動産投資セミナーに参加したり、投資不動産販売会社に相談を持ちかけるなどして、自分に向いた投資物件が何なのか、改めて考えてみてもいいかもしれません。
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