不動産投資で銀行融資を受けるためのコツ|審査前に行う3つの準備
投資家の多くの方が、”銀行で融資を受けて投資用不動産を購入する”ことになるでしょう。
しかし「銀行から融資を受けられるか心配…」、あるいは「どこに相談に行けばいいか分からない」などの不安がある方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産投資と銀行に関連する下記3点の情報をメインにご紹介します。
- 不動産投資ローンのことで銀行に相談に行くまでに済ませておくべき準備
- 不動産投資に比較的積極的だとされている銀行のピックアップ
- 不動産投資ローンの審査に通るためのコツ
また、不動産投資の銀行融資等について知る前に、不動産投資のリスクを知っておくことも重要です。
ぜひ、下記記事も合わせてお読みください。
目次
不動産投資ローンについて銀行に相談しに行く準備と心がけ
- 自己紹介資料の準備
- 購入したい物件資料の準備
- 銀行にアポイントメントを取ってから、面談を行う
- マナーや気遣いを意識して、人間的な魅力があると分かってもらう
ここでは、不動産投資ローンについて銀行に相談しに行く前に、準備しておくと良いことを紹介します。
【1】自己紹介資料の準備
銀行側の立場に立って考えると、素上の分からない個人に数千万単位の融資をすることは、非常にリスキーであることが分かると思います。
だからこそ、「貸しても大丈夫」なことが分かるように、不動産投資ローンの審査は厳しめに行われる訳です。
ただ、最初の相談の段階で“個人の信用力”が分かるような資料を用意しているだけでも、銀行側からの印象はよくなります。
融資を行う銀行視点から見た”良い人”とは、”稟議書を書きやすい属性を持つ人”であると言えます。
勤務先や勤続年数、年収など、基本的とも言える情報の他、以下のような情報を共有できれば好印象です。
<自己紹介として伝えるといい個人情報の例>
・現時点での所有資産 ※重要
・家族の収入
・予定退職金
・保険の解約返戻金
・将来相続予定の金融資産 …etc
【2】購入したい物件資料の準備
不動産投資セミナーに参加していたり、不動産投資の本で知識を得た方ならご存知かもしれませんが、投資用不動産は融資を受けてから「どこにしようかな?」と探すものではありません。
銀行は“物件の収益性”を重視して、融資を行うか否かを判断します。
そのため、「自分が買いたいと思っている投資用不動産に、どれほどの収益性が見込まれるのか」を、自分なりにまとめた資料があると、相談は円滑に進みやすいです。
物件の立地や間取りから考察されるニーズ、レントロール(※1)を元にした収益のイメージ、不動産運用の計画などが緻密にまとめられた資料があると、「不動産投資について事前に知識を蓄えていること」、そして「計画性があること」が分かり好印象です。
※1 レントロールとは?
貸借条件一覧表のことです。各部屋番号毎の契約賃料や共益費、預かり敷金の金額、契約年月日や入居者の属性などが記載されています。
【3】銀行にアポイントメントを取り、面談を行う
いきなり銀行に出かけていっても、担当者が不在であったり、急すぎて相談に時間を割いてもらえない可能性が十分にあります。
そのため、銀行に不動産投資ローンの相談をしに行く前には、銀行に電話を入れて「不動産投資の融資について、相談したい」旨を伝えて、担当者とアポイントメントを取ることが確実です。
【4】マナーや気遣いを意識して、人間的な魅力があると分かってもらう
融資を受ける・受けないに限らない社会的な常識でもありますが、「人」と「人」のやり取りでは、マナーや気遣いを意識することが大切です。
“アポを取っている時間に連絡なしで遅刻しない”(遅刻すること自体、基本的には避ける)、“提出書類は分かりやすく作り、期日通りに出す”など、守ってしかるべきマナーはきちんと守りましょう。
また、「他人に不快感を与えない、丁寧な言葉遣いで話す」など、相手を気遣う配慮ができると、不動産投資・運用に対しても堅実で誠実な人物であると認識してもらえます。
背伸びし過ぎる必要はないですが、担当者が「この人になら融資を行っても大丈夫!」と自信を持って推せるくらいに、人間的な魅力を有していることを、できるだけアピールすることが望ましいです。
不動産融資に比較的積極的と言われている銀行5例
- 横浜銀行
- 千葉銀行
- 福岡銀行
- オリックス銀行
- 日本政策金融公庫…etc
※これらの銀行に依頼すれば、必ず不動産投資ローンを通過できるという訳ではありません。
上記は、比較的不動産融資を受けやすい「地方銀行」を中心に、5つの銀行をピックアップしたものです。
これら以外に「信用金庫」、「信用組合」、「ノンバンク」にカテゴライズされる金融機関も、融資を受けやすいと言われています。ただ、金利が比較的高いことを考慮しなくてはいけません。
みずほ銀行や三菱UFJ銀行といった銀行は、「メガバンク」と呼ばれる銀行です。
「メガバンク」は金利が低いメリットがある一方、ローンの審査基準がかなり厳しめな傾向があるため、一般的な年収のサラリーマンが融資を受けるのは難しいでしょう。
逆に年収が1,000万以上を超える方など、”個人の信用性”が高い方なら、融資を受けられるかもしれませんので、1度相談をしてみる価値があります。
また、年収が飛び抜けて多くなくても、不動産運用がうまくいっている実績が多くあれば、メガバンクでも融資を前向きに検討してもらえるかもしれません。
銀行からの融資が受けやすくなるかも知れない2つのコツ
- 投資不動産販売会社から紹介を受ける
- 不動産投資用ローンの審査の基準を知る
記事の冒頭より幾度か触れてきましたが、「不動産投資ローンは一般的な住宅ローンよりも、融資が下りにくい」という傾向があります。これは先ほどピックアップした不動産融資に積極的と言われている銀行であっても、例外ではありません。
以下では、厳しい不動産投資ローンの審査において有利に働きそうな、知っておくべき2つのポイントをお伝えします。
【1】投資不動産販売会社から紹介を受ける
投資不動産販売会社から直接銀行、あるいは銀行の担当者の紹介を受けると、比較的融資が通りやすいケースがあります。
しかし、投資不動産販売会社と銀行が悪い意味で”癒着”しているケースも過去何例か確認されているため、投資不動産販売会社選びに失敗している場合は、ハイリスクであるとも言えます。
【2】不動産投資用ローンの審査の基準を知る
不動産投資用ローンの審査に通るためには、不動産投資用ローンの審査基準を把握しておくことが必要不可欠です。
自分のどんな属性がネックになりそうか、逆に強みになりそうなのかを分析すると、ローン審査に通るための戦略を立てやすくなります。
- 自営業か雇用される側か
- 勤務先が安定しているかどうか
- 勤続年数が長いかどうか
- 年収が安定しているかどうか
- 自己資金があるかどうか
- 過去に金融事故などを起こしていないかどうか
- 団体信用生命保険に加入できる健康状態であるか
銀行によってローン審査の基準は様々ですが、上記7つのポイントは、どの銀行もしっかりチェックしているので、自分で明確にしておきましょう。
銀行からの融資を断られたら?
勤務先の会社が大手で年収も申し分なく、金融事故を起こした経験もない、普通に考えれば信用に足る人物である場合でも、不動産投資用ローンの審査に落ちてしまうケースは、めずらしいことではありません。
例えば、「勤続年数が短い」というだけで落ちてしまうこともあります。
逆に、中小企業にお勤めの平均的な年収のサラリーマンが、不動産投資用ローンの融資を受けられたといったこともあります。
そのため、ある銀行でローンの審査に通らなかったからといって、すべてのローン審査に通らないと決まっているわけではありません。
先述したように、不動産投資用ローンの審査基準は銀行によって違うため、他の銀行に行ってみたら問題なく審査に通ったという例も報告されているので、諦めずに別の銀行に相談してみることを推奨します。
「自分はローン審査に通るだろう」という自信があったのに審査に落ちてしまった場合は、何が障壁となったのか自己分析してみることも大事です。
まとめ
将来的には上昇していくかもしれませんが、現状は低金利といえる状態にあるため、「今こそ不動産の買い時!」と言われることも多いです。
確かに、金利が上がってしまう前のタイミングで投資用不動産を購入することは、老後を見据えた資産づくりのための、1つの賢明な手段だと言えるでしょう。
ただし、その一方で金利上昇リスクがあるなど様々なことを理由に、銀行の不動産投資ローンの審査は厳しいままであるため、不動産投資用のローンを引き出せずに結局、投資用不動産の購入を諦めるケースも少なくないようです。
- 銀行の属性の調査・把握
- 銀行に融資の相談をするまでにやっておくべき準備
少なくとも上記2点には取り組んでいないと、銀行から融資を受けることは難しいのだと考えられます。
ただ、できるだけ良い条件の銀行から融資を受けるに越したことはないので、1回ローン審査に通らなくても、金利条件の妥協や物件の変更はせずに別の金融機関を、2~3箇所あたってみてもいいと思います。
また、「どの銀行で融資を受ければいいのか分からない」、あるいは「ローンの審査になかなか通らない」と困ったときは、“不動産投資のプロ”に相談することも選択肢に入れて良いでしょう。
不動産投資のプロ目線で、銀行から融資を受けられなかった理由を分析して教えてくれる可能性があります。
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