不動産投資でリスク分散をする3つの方法 | 分散投資のメリット・デメリットも解説
投資には、「分散投資」という概念があります。
“1つの投資を行うのではなく、様々な種類の投資を行うこと”、これが分散投資の考え方です。
- 地域の分散
- 時間の分散
- 通貨の分散
- 商品の分散
分散投資の基本は、上記4つの項目です。投資のリスクヘッジのために、この4つの観点のいずれか(もしくは組み合わせて)から、投資対象を分けることを考えるのです。
そして、4つめに挙げた「商品の分散」は更に細分化され、その中に「不動産投資のリスク分散」があります。
今回は不動産投資でリスク分散をする方法と、リスク分散を行うメリット・デメリットを分かりやすくまとめました。
目次
不動産投資でリスク分散をする3つの方法
- 部屋のタイプを分ける方法
- 投資用不動産を購入するタイミングをずらす方法
- 購入する投資用不動産の地域を分ける方法
不動産投資においてリスク分散をするための方法は、大きく分けて3種類あります。
それぞれのリスク分散方法について、以下でさらに詳しく説明していきましょう。
ちなみに、不動産のリスク分散を行う方の場合、投資物件の種類は1件あたりが高額な「一棟マンション」ではなく、「区分マンション」を選ぶことが多いと思われますので、その前提で説明を進めていきます。
【1】部屋のタイプを分ける方法
不動産投資のリスク分散方法の1つに、部屋のタイプを分ける方法があります。特に分かりやすいのは、“間取り”です。
例えば、1人暮らしの方をターゲットに1Kや1LDKの間取りの部屋を購入し、さらにファミリー層もターゲットにできるように、2LDK以上の部屋を購入するといったイメージです。
ただし本来、しっかりとターゲティングをすれば、その地域で需要が高い部屋のタイプはほぼ1つに絞られるので、同じ地域で様々な間取りの部屋を購入して、リスク分散を行うことは得策ではありません。
逆にそれぞれの地域の特性に合わせて、投資する部屋のタイプを分けることは戦略的だと言えます。
【2】投資用不動産を購入するタイミングをずらす方法
2つ以上の投資用不動産を購入・運用する場合、同時期には買わないという選択肢があります。
例えば、ある地域での単身需要が高いことを理由に、同タイミングで複数の投資用不動産を購入するとします。
何も無ければ運用はうまくいきますが、月日が経って街の環境に大きな変化があった場合、運用に影響が出る可能性が高いです。
投資をはじめるなら、単身需要が高い地域でいつまでも単身需要が高いとは限らないなど、地域の特性が不変的ではないことを理解する必要があります。
その例として、大学が1つなくなれば、そこに住む理由がなくなってしまう地域が、いくつも存在しています。
“その時”だけの需要をもとに、同じ地域で同じタイミングで複数の投資用不動産を購入するよりも、何年か様子を見たうえで、別の狙い目物件(他の地域まで視野を拡げるとよい)の購入を検討するほうが、堅実的であると言えるでしょう。
【3】購入する投資用不動産の地域を分ける方法
不動産投資のリスク分散方法として最も分かりやすいのは、購入する投資用不動産の地域を分ける方法です。
“都心”と“郊外”というような両極端な分け方ではなく、見込みのある地域の“北側”と“南側”というように、地域を分ける単位は細かいほうが、読みが外れたときの無駄が少ないです。
投資用不動産を別々の地域に点在させるメリットは、ある1つの地域の人気が急落し、入居者が入りにくくなった時の備えとなることにあります。(このあたりのメリットについては、次の項目でさらに分かりやすく解説します。)
ちなみに、日本の経済が崩れた場合を想定して、海外の投資用不動産でリスク分散する投資家もいます。
不動産投資のリスク分散を行うメリットとデメリット
ここまでは、不動産投資のリスク分散について、どのような方法がとれるのかまとめてきました。
この項目では、そもそも不動産投資でリスク分散を行うメリットはどこにあるのか、逆にデメリットは存在するのかについて、説明していきます。
リスク分散のメリットは空室に備えられること
不動産投資のリスク分散を行うメリットは、どこか1つの投資用不動産で問題が起こったとしても、損失を抑えられることにあります。
例えば、もしも1つだけ部屋を持っている場合、その部屋が空室になれば、次の入居者が決まるまでの家賃収入は当然ゼロです。(※サブリース契約などが無い場合)
そのため、自己資金に余裕がなければ、その間のローン返済などの支出に苦労することになります。
しかし、ある部屋が空室になった場合でも、別の投資用不動産があるなら、その物件のローン支払額を差し引いたお金で、空室のほうのローン支払等を、少しはカバーすることが可能です。
リスク分散のデメリットは全物件の管理と地域情報把握の難しさ
不動産投資のリスク分散を行うデメリットは、分散させた物件の管理および地域情報の把握が難しいことにあります。
たくさん目を配っておくべき場所があると、どうしても1つ1つの情報が希薄になってしまいがちで、“しばらく訪れないうちに人の流れが変わった”、または“物件の価値が下がった”といった変化に、なかなか気付けない場合があります。
また、リスク分散のために、価格が安い投資用不動産を複数買ったはいいけれども、思っていたような利益が出ないということもよくあります。
安いには安いだけの理由、例えば“立地条件が悪い”、または“築年数が古い”などの理由があって、そのせいで入居者が確保できなければ、当然ながら利益を確保することはできず、「高くても入居者が絶えない物件を1つ購入しておけばよかった」という事態に陥りがちなのです。
昔からのことわざで「安物買いの銭失い」という言葉がありますが、不動産投資でも同じことが言えるのかもしれませんね。
不動産投資のリスク分散の判断は慎重に行うべき
以上、不動産投資におけるリスク分散の方法と、リスク分散そのもののメリットとデメリットについて、お伝えしました。
リスクヘッジとして複数の投資用不動産を購入・運用するとしても、1つ1つの物件選びは、1つの物件を選び抜く時と同じように、慎重になるべきです。
「どれか失敗しても大丈夫なように」とリスク分散を軽く考えてしまうと、「どれもうまくいかない!」という危機に陥るかもしれません。
また、必ずしもリスク分散が得策というわけではなく、状況によっては1つに絞りこんだほうがいいこともあります。
不動産投資のリスク分散が、自分の投資計画において有効かどうか悩んだら、専門家の意見を聞いてしっかりと考えるほうが良さそうです。
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