保険を見直しするべきタイミング | 貯蓄のために知っておこう
「はじめて加入した保険に、今もそのまま入り続けている」という人が、意外にも多いようです。
しかし実は、昔に加入した保険が今の自分に合っているとは限らず、あまり意味の無いお金を支払っていたり、有事の際におりる保険金が、今の自分の状況においては不十分であったりするのです。
そのため本来は、保険の見直しを定期的に行って、”今”の自分の状況にもっとも合うように、加入している保険のプランを変更、または別の保険に加入する必要があります。
「保険の見直しを何度もするなんて、面倒…」と感じる人がいらっしゃるかもしれませんが、生涯にわたってできるだけ安心な生活を送るために、そして無駄な支払いをなくして貯蓄を豊かにするために、保険の見直しは頑張って取り組んだほうがいいことです。
そこで今回は、保険の見直しはどのタイミングで行うといいのかについて、分かりやすくまとめてみました。
※ちなみに「保険」とひと口に言っても、学資保険のような”積み立て貯金に近い”ものと、死亡や入院など”リスクに備える”もの、この2種類に大別されます。この記事では、「リスクに備えて加入する保険」にフォーカスしました。
目次
保険の見直しを行う2つの目的とは?
- 自分のニーズと保険の保障内容を揃えること
- 保険料を最適化して貯蓄を増やすこと
保険の見直しを行うことには、大きく分けて上記2つの目的があります。
【1】自分のニーズと保険の保障内容を揃えること
後にも詳しく説明することなのですが、自分が保険で重点的に備えたい部分と、そして保障してもらいたい金額は、長い人生の中で常に変わっていきます。
「もしも自分が死亡した場合に、多額のお金がおりるようにしたい」という時期もあれば、「事故や病気による入院でお金がおりるようにして、保険料の支払いはなるべく抑えたい」という時期もあり、その”ニーズ”によって有効な保険の種類は全く異なってきます。
その時々の自分のニーズに合った保険を見つけるため、これが保険の見直しを行う1つの目的と言えます。
【2】保険料を最適化して貯蓄を増やすこと
先述した、その時々の自分のニーズに合った保険を見つけることにも関連するのですが、今の自分にはあまりリスクがない事態の補償がカット(あるいは削減)されたプランの保険に変更すれば、保険料の支払いを減額できる可能性が高いです。
支払わなくてはいけない保険料が減ったら、その分をそのまま貯金にまわすことができるので、結果的に貯蓄を豊かにすることにつながります。これも、保険の見直しを行う目的の1つです。
“ライフステージが変化した時”が保険を見直すべきタイミング
加入している保険を見直すべきタイミングとして適しているのは、ライフステージに変化があった時です。
就職、結婚、子どもが生まれる、家を買う…など、人生には大きな転換点がいくつも存在します。それらを、”ライフステージの変化”と定義してみましょう。
たとえば、就職して間も無い独身の人の場合、まだ自分が死亡することで生活が困窮する家族はいませんから、死亡の保障はそこまで重視せず(加入するとしても、葬儀の費用を捻出できる程度)、日々の稼ぎがまだ少ないぶん、入院や就業不能のリスクに備えることを重視した保険に入ることの方が自然です。
ちなみに、もしもこの段階で保険に加入していないという場合は、若い年齢で加入したほうが保険料が安く済むので、できるだけ早めに加入を検討することを推奨します。
ライフステージにどんな変化が訪れたら、保険を見直すべきタイミングなのか、以下でさらに詳しくまとめてみました。
【1】 結婚のタイミング
【2】 子どもが生まれたらタイミング
【3】 マイホームを購入するタイミング
【4】 子どもが自立したタイミング
【1】結婚のタイミングで保険を見直す
晴れて結婚することになれば、やらなくてはいけないことが山のようにできます。保険の見直しも、その1つです。
まずは、お互いに加入している保険の内容をしっかりと確認し、これから2人で生活していくうえで、保険料の支払いにいくらまわせるのかを相談しましょう。
とはいえ、今は結婚してもどちらかが仕事を辞めない共働き夫婦が増えていて、この場合は独身時代と同じように、死亡保障よりも入院・就業不能保障を優先させる考え方を、大きく変える必要はないかと思います。
逆に、近年はまれではありますが、どちらかが仕事を辞める場合、例えば女性が専業主婦になる場合は、独身時代の保険を大きく見直す必要があるでしょう。
例えば、仕事をしている男性が万が一死亡した場合、遺された専業主婦の女性は、自分で収入を確保できるようになるまで、多くの時間を要します。(子どもがいる場合、特に生活が苦しくなる可能性が考えられます。)
つまり、家計を支える人が加入している保険の死亡保障が手薄なようであれば、死亡保障額が充実した保険への見直しを行うことが推奨されるのです。
万が一保険の加入者が死亡した場合に、2000万円以上の保険金がおりるようなプランがないか、探してみましょう。
また、もし女性のほうが医療保険に加入しておらず、将来子どもを作ることをお考えの場合は、妊娠される前に医療保険に加入することを推奨します。理由は妊娠が分かってからだと、加入できる医療保険の幅が狭まるためです。
【2】子どもが生まれたら保険を見直す
子どもが生まれたら、「自分にもしものことがあっても、子どもと遺された配偶者が困らないようにしてあげたい」という想いが強まることが一般的でしょう。
これまでは共働きで、死亡保障については重視していなかったご夫婦においても、子どもが生まれてからは話が別です。子どもを1人だけの収入で育てていくことは、本当に大変なのです。
ですから、死亡保障が大きく受けられるような保険の見直し(定期保険を1000万円程度上乗せすることが理想)を、行うべきでしょう。
記事のはじめのほうでも述べたように、「学資保険」は貯蓄型の保険であり、死亡などのリスクに備えられる保障額には到底及ばないので、養育費や教育費とは切り離して考えてください。
また、子どもの数が増えれば、当然ながら養育にかかるお金も増えるので、弟・妹が生まれた暁には、再度保険の見直しを行うといいです。
【3】マイホームを購入するタイミング
さらにライフステージが進めば、マンションにせよ一戸建てにせよ、マイホームを購入する可能性が出てきます。
一括現金でマイホームを購入する人は少なく、多くの方が住宅ローンを組んで、マイホームを購入するのではないでしょうか。
そして住宅ローンを組むために、“団体信用生命保険に加入する”ことが一般的です。
団体信用生命保険に加入していると、住宅ローンの返済途中に、ローン支払い者が死亡した場合や病気やケガで高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残り返済金額を、すべてこの団信が支払ってくれます。
つまり、家族が住宅ローンの残りの返済に苦しむ必要も、マイホームを手放す必要もないという訳です。
自分にもしものことがあっても、家族は住む場所が保障され、ローンの支払いも無いということは、死亡リスクに備えて上乗せしてある定期保険を、減額する余裕が生まれるということです。
【4】 子どもが自立したタイミング
子どもが成長し、無事に経済的に自立したら、またご夫婦(または単身)での生活に戻ります。
親である自分にもしものことがあっても、子どもが経済的に困るということがなくなるので、主に死亡保障に関する保険を減額に向けて見直す良い機会です。
ちなみに、「将来年金だけで生活できるものか不安……」という人が加入する個人年金保険に、未加入の場合、定年を迎えるまでの最後のタイミングとして、加入を検討してみるのもいいです。
保険の見直しで出来たお金の余裕は貯蓄へ回して、自身の介護・入院などに備えましょう。
「今が人生の転機」と思ったら保険の見直しをしよう
「いつ、何があっても手厚く保障される!」というような、完璧な保険があれば、保険の見直しを何度もする必要はありませんが、残念ながら何もかも兼ね備えた保険は存在しません。
だからこそ、自分を取り巻く環境が変化するタイミングに合わせて、”本当に適している保険”を探す必要があるのです。
ここまで述べてきたライフステージの主な変化以外にも、「自営業になるタイミング」、逆に「会社に所属するタイミング」、「何らかの事情があって保険料の支払いが負担になったタイミング」、「親を扶養に入れるタイミング」など、保険を見直すべきタイミングは数多あります。
毎回保険を見直すべきとまでは言いませんが、ご自身で「人生における転機が今かな?」と思ったときは、迷わず保険を見直してみてください。
- 保険金額
- 保障内容(重複しているものがないか等)
- 契約更新日
- 更新限度年齢
- 何歳で保険料が上がるか ……etc
上記は、保険の見直しでチェックするべきポイントの例です。細かく挙げれば、もっと数多くあります。
専門的に勉強した経験がない限り、難しくて判断に困っても当たり前なので、”保険のプロ”に相談しにいきましょう。
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