低コストでできる3つの空室対策と空室になりにくい物件の選び方
不動産投資・運用を行う、つまりは賃貸用マンション・アパートなどのオーナーになるうえで、避けて通ることがないものが空室対策です。
所有している投資用不動産に、”空室がどのくらいあるのか”、そしてその”空室がどの程度続くのか”によって、物件の収益は大きく左右されます。
特に、マンションやアパートを一棟まるごと所有するオーナー様が、空室対策をうまく行えないことは死活問題だといっても過言ではないでしょう。
……と、ここまで大仰に表現してしまいましたが、何も空室対策は必ずしも大がかりでお金のかかることを指すのではありません。
お金や時間をかけなくても、ちょっとした工夫とちょっとしたアイデアが、良い空室対策になることもあります。
そこで今回は、今まさに空室対策に行き詰っているオーナー様や、「これから不動産投資を始めたいけど、空室対策ってどんなことをすればいいのだろう?」と悩める未来のオーナー様に役立つ、空室対策のアイデアと空室になりにくい物件の選び方をご紹介します。
目次
【空室対策】運営面での工夫
本章ではアパートやマンションを運営する中での空室対策を3つご紹介します。
空室対策1:初期費用を安くする・ゼロにするアイデアで空室対策
まず、周辺の物件(ほぼ同じ築年数・間取りで、設備にも大差ないものとする)と比較して、自分の物件の家賃が高すぎはしないか、調べてみましょう。
「だいたい、他の物件と同じくらいの家賃」であれば、ひとまず直ぐには家賃の引き下げはしなくても大丈夫です。
家賃の引き下げは、利回りの減少に直結するだけでなく、売却時の査定価格に影響を及ぼしたり、入居者層が変わったりするので、どう見ても適正以上の家賃に設定していない限り、なるべく避けましょう。
家賃の引き下げよりもリスクが少ない空室対策のアイデアは、敷金・礼金ゼロの物件にすることです。
特に1人暮らしの20代くらいをターゲットにした投資用不動産の場合、初期費用がかからないことにメリットを感じてもらえて、空室が埋まる可能性があります。
また、初期費用の安さで勝負するなら、フリーレントというシステムを契約に組み込む方法もあります。
フリーレントは、「最初の2ヶ月の家賃は無料、その代わり2年間は必ず住んでください」というような契約で、オーナーは最初のうち、家賃を回収することができませんが、無料期間以降の家賃を安定的に回収することができます。
ただ、敷金・礼金ゼロの物件よりは引きが弱いことや、かなり経済状況が苦しい入居者が入る可能性があることに注意が必要です。
敷金・礼金ゼロ対策やフリーレント対策を含めた、基本的な収益マンションの空室対策方法について詳しく知りたい方は、「収益マンションの空室対策方法!大家さんのお悩み解決」を併せてご参照ください。
空室対策2:プチリフォームのアイデアで空室対策
和室を洋室にしたり、3点ユニットバスの浴室とトイレを分けたり、大規模なリフォームやリノベーション工事を行うことは、空室対策として大きな効果があります。
しかし、「大きなお金をかけてリフォームするべきところが既にない」、あるいは「リフォームやリノベーションにお金をかけられない」というオーナー様も、いらっしゃるのではないでしょうか。
そういうケースでは、“必須ではないと思ってこれまでは気をかけていなかった場所”に改善できる余地、すなわちプチリフォームができる余地がないか、探してみてください。
プチリフォームのアイデアとしてよく挙げられているのが、「外構の整備」や「植栽管理」です。
オーナーとしては部屋の設備を充実させることを、まず優先させると思われますが、実際に内見に訪れる人々は、マンション・アパート全体の雰囲気も見ています。
植え込みの柵がボロボロであったり、植栽が枯れていたりすると、内見希望者自身がそこに注目しているわけではなくても、全体として暗い印象や古ぼけた印象などのマイナスイメージを持ってしまいます。
間取りや設備はほぼ同じで、少し家賃が高い物件を比較対象にされている場合、自分の物件のほうが有利に思えますが、細かいところの管理が行き届いていないと、別の物件を選ばれてしまう可能性は十分にあり得るのです。
そうした「もったいない空室」を作らないためにも、枯れてきた植栽を新しい植栽に植え替えるなど、物件全体のイメージアップに繋がるプチリフォームを行うことが理想的なのです。
他にも、物件の敷地内の草むしりをしたり、共用部分の電灯を明るいワット数の物に交換したり、比較的低予算でもできることはたくさんあります。
実際リフォームまでしなくても、共用部分を常にキレイに掃除をしておくだけで、物件の印象は大きく変わるものです。
ただ、物件の付加価値を向上させるためにプチリフォームかお金をかけてのリフォームを行うべきか迷っている方もいらっしゃるかと思います。
リフォームで価値が向上しやすいケースや実際にリフォームを行う際の流れ、費用の相場などを関連記事「マンション投資でリフォームを行って成功するには?費用相場も紹介」で解説していますので、併せてご覧ください。
セキュリティシステムの向上は、空室対策で特に有効
近年は、物件選びにおいてセキュリティ面が重視されている傾向があります。
特に1人暮らしのマンション選びの場合、「オートロックが付いていることは大前提」としている人が増えてきました。
本当に少額、必要最低限のリフォームを行う場合、モニター付きインターホンの設置や、監視カメラの設置を検討してみましょう。
「安心して住めそう」という印象をきっかけに、早めに入居者が決まるかもしれません。
空室対策3:入居者紹介キャンペーンで空室対策
今、入居してくれている人を対象に、「入居者紹介キャンペーン」を行うアイデアもあります。
紹介する入居者が優良であれば、紹介される入居者も優良である可能性が高く、”知人からの紹介”というシステム上、成約率も悪くありません。
進呈するプレゼントは、幅広く使えるギフト券が喜ばれやすいです。
実際にお金(ギフト代)が発生するのは、紹介が成立した後ですから、「ダメもとでやってみて、やっぱりダメだった」としても損失にはならないことが利点です。
空室対策のアイデアは「周囲の物件との差別化」で生み出す
さて、ここまで述べてきた空室対策のアイデアですが、すべてそっくりそのまま真似をして、必ずしも空室が埋まることの保証は、残念ながらできません。
その理由は、投資用不動産にはそれぞれの特徴・状況があり、空室になっている理由もわずかながら違うためです。
本当に効果がある、空室対策のアイデアを生み出すためには、やはりオーナー様ご自身の”気づき”が必要ですし、そのための観察力は空室対策以外の部分でも、大いに役立つでしょう。
空室対策のアイデアを自分なりに生み出すためのコツは、「周囲の物件といい意味で差別化するには、どうすればいいのか?」を、真剣に考えることです。
空室が出た時、あるいは空室が続く時は「どうしてこの物件は選ばれないのだろう…」と、ネガティブな考えが先行してしまうことでしょう。
空室の理由を突き詰めて改善することは、それはそれで重要ですが、逆に「同物件の伸びしろ(強み)がないかどうか?」も、探してみてください。
他の物件の入居条件が厳しいのであれば、自分の物件を「ペット可」や「外国人可」などにして間口を広げることが1つのアイデアですし、どれも似たり寄ったりの物件が周りに多いのであれば、内装にご自身の趣味を反映させ、差別化されたお部屋を作ることも有りです。
また周囲に会社・企業が多いのであれば、家具や家電付きのマンションが重宝されるかもしれません。
「引っ越しの際、古い家具は捨ててしまって、新居には必要最低限の荷物しか持っていきたくない」と思うビジネスパーソンは、意外と多いものです。
とにかく空室が埋まりやすい、魅力的な物件に変えるためのアイデアは無数にあります。
アイデアが思い浮かびすぎて逆に悩んだ時は、「どんな人に住んでもらいたいか?」を第一に考えると、やるべきことは自然と絞り込まれてくるでしょう。
【空室対策】物件の選び方
運営面で空室対策を行うことも大切ですが、それ以上に空室になりにくい物件を選ぶことが大切です。
本章では空室対策として物件を選ぶ方法を2つご紹介します。
空室対策1: 人気のあるエリアでマンションを運営する
空室リスクを限界まで低くする方法として人気のあるエリアでマンション投資を行うことは有効だと言われています。人気のエリアは不動産の価格も高くなりますが、人の動きが活発なため、空室が出ても埋まりやすいです。
具体的に人気のあるエリアを判断するポイントは「乗降者数の多い駅の付近」「大学の近くに立地していること」「利便性があること」の3つです。
駅から選ぶ理由は、例えば「東京の住みたい街ランキング」を見てみると、選出されているのは東京駅や渋谷駅、新宿駅などターミナル駅に繋がっている沿線であることがわかります。需要が大きく、入居希望者も多く存在するのです。
また、大学の近くに立地していれば年単位で全国各地から入学する移住者がいるため継続的な入居が見込めます。
利便性に関しては各地で常に行われている再開発や交通機関のアクセス面での変化に注目することで将来的な需要を想定するのも大切でしょう。
特に東京でマンション投資を行う際の場所選びについて詳しく知りたい方は「東京でマンション投資を失敗したくないあなたのための「場所」選びのポイント3つ」で解説していますので、併せてご覧ください。
空室対策2:ワンルームマンションを運営する
物件には主に単身者向けの「ワンルームマンション」とファミリー向けの物件がありますが、空室リスクを減らす上ではワンルームマンションがおすすめです。
その理由は物件の選び方の1つ目にご紹介した東京における人口内訳と需要にあります。
※引用:東京都政策企画局|東京都の家族類型別世帯数の推移
東京では単身者世帯の割合が最も多く、増加傾向にあることがわかります。2035年までは単身者の数も増え続ける見込みであることから、単身者向けであるワンルームマンションへの投資は効果的だといえます。
加えてワンルームマンションには初期投資が比較的に少なく、投資効率が良い傾向があるというメリットもあります。
しかしながら、ワンルームマンションへの投資も全てが効果的というわけではありません。ワンルームマンションには新築と中古でそれぞれベネフィットやリスクがあります。
東京のマンション投資でワンルームマンションを行う利点について詳しく知りたい方は「東京の不動産投資で「中古のワンルームマンション」が有望とされる理由」で解説していますので、併せてご覧ください。
まとめ|空室対策はアイデア次第で成功するが、そもそも空室が出ない物件には敵わない
以上、空室対策として有効なアイデアの例や、その編み出し方、そして空室が出ない物件の選び方についてまとめました。
自分がオーナーとなる投資用不動産に、新しいアドバンテージを与えるアイデアを生み出し実行することは、チャレンジ精神が旺盛な方にとって、非常に面白いことかもしれません。
ただ、1つ忘れてはいけないのは、アイデアはあくまでアイデアであり、必ずしも解決策とはならないことです。
空室の問題が根深いところにあれば、いくらいい案を思いついたところで、その場しのぎにしかなりません。
そのため今から不動産投資をはじめる人が、「いざとなれば臨機応変にやれるだろう」と、浅はかに物件を選んでしまうことは危険です。
とてもアイデアだけでは補いきれない、入居率において圧倒的に不利な投資用不動産は、確かに存在するのです。
結果的に最も安心なのは、そもそも空室が出ない物件、退去後もすぐに新しい入居者が見込めるような、好立地・好条件の物件を、目先の利益にとらわれずに選ぶことです。
新築・駅近の区分マンション投資がその良い例です。
新築・駅近の区分マンション投資には、管理組合があるので自主管理をしなくていい、「新築」や「駅近」という好条件から空室が続きにくいといった特長があります。
空室対策のために勝手なリフォームをすることはできませんが、そもそも空室対策をする必要が無ければ、問題はありませんよね。
堅実な不動産投資を生涯行うなら、合理的なアイデアを枯渇させないことも大切ですが、そのアイデアが発揮されるまでもない安定したスタートを切ることが、やはり重要なのです。
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