不動産実務検定とは|試験の難易度と受験がおすすめできる人
不動産実務検定(旧大家検定)は不動産投資に関する実践的な知識を網羅した専門資格です。大家検定という名前からもわかるとおり、不動産オーナーに向けた資格となっています。
代々地主など、将来的に不動産を相続する方や、新たに資産運用として不動産投資を始めたい方におすすめの資格と言えるでしょう。一方で、不動産投資には必ずしも必要でなく、目的によってはほかの資格が適していることもあります。
本記事では、不動産実務検定の内容や試験の難易度、ほかの不動産関連の資格についても紹介します。
目次
「不動産実務検定」とは|出題分野と合格率
J-RECの不動産実務検定は、健全な経営を実現したい大家さん、これから不動産投資によって安定した将来を実現したい方、また、より高度なコンサルティング技能を身につけ顧客に安心したサービスを提供したい建築不動産関係の方のために不動産運用にまつわる実践知識を体系的に網羅した日本初の不動産投資専門資格です。
不動産実務検定(旧大家検定)は不動産投資に関する実践的な知識を網羅した専門資格です。不動産実務検定は1級と2級に分かれており、受験資格に制限はありません。試験の実施日程も随時であるため、比較的受験しやすい資格と言えるでしょう。
試験自体は全国のCBTテストセンターで実施されるため、試験日にCBTテストセンターに出向き、パソコンで受験します。
2級と1級があるので、それぞれの出題分野や合格率について解説します。
不動産実務検定2級
受験料 | 7,700円(税込) |
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試験時間 | 60分 |
問題数 | 50問 |
2020年度の合格率 | 69% |
2級では主に「賃貸管理運営に関する知識・技能」を学びます。出題範囲は以下のとおりです。
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参考:一般財団法人日本不動産コミュニティー「2級講座学習ガイド」
2級の知識を身につけることで、日常的な賃貸経営で直面する課題に対処できるようになるでしょう。
不動産実務検定1級
受験料 | 8,800円(税込み) |
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試験時間 | 60分 |
問題数 | 50問 |
2020年度の合格率 | 46% |
1級では主に「不動産投資、土地活用に関する知識・技能」を学びます。出題範囲は以下のとおりです。
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参考:一般財団法人日本不動産コミュニティー「1級講座学習ガイド」
1級では不動産投資の基礎だけでなく、消費税や法規、借地取引や建築構造などより専門的な内容の学習が必要です。より実務的な知識を身につけられるため、不動産会社などの専門家と対等にコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
「不動産実務検定」を受けるべきなのはどんな人?
「不動産投資をしたいけど、なにから勉強したらいいかわからない」という方には、不動産実務検定の受験をおすすめします。不動産投資をするにあたって、不動産実務検定の取得は必要なわけではありません。投資自体は資格がなくても、問題なく行えます。
しかし、不動産投資には知識が必要です。知識がないと、投資対象として良くない物件を購入してしまったり、トラブルへの適切な対応ができなかったり、投資によってかえって苦しむことにもなりかねません。
リスクをおさえて不動産投資を行うためには、物件の見極め方や法律、税務など、幅広い知識が必要とされます。そのため、知識ゼロの状態から本やインターネットの情報だけで独学するのは難しいでしょう。
不動産実務検定に合格するために必要な知識を体系的に学ぶことで、効率良く不動産投資の理解が深まります。実際に不動産実務検定を受験した方のなかには、以下のような声があります。
- テキストが実務に沿っていて、非常にわかりやすかったです!
- 不動産の知識を幅広く、しかも深く学ぶことができました
- 投資をする際に、今までは、見えなかった部分が、見えるようになった
引用:一般社団法人日本不動産コミュニティー「2級講座受講者の声」
不動産投資において不動産実務検定は必ず取らなければならない資格ではありませんが、不動産投資に関する知識を体系的に学べる資格と言えます。
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不動産実務検定以外に不動産投資で役立つ資格
ここまでご紹介した不動産実務検定以外にも不動産投資に役立つ資格は複数あります。目的によってはほかの資格が向いている可能性もあるので、チェックしてみましょう。
1. 宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、不動産取引において取引の重要な内容が記載されている「重要事項説明書」を説明するために必要な国家資格です。「宅建」とも言われます。
重要事項の説明は宅地建物取引士の独占業務となっており、不動産業界において最も重宝される資格と言っても過言ではありません。
不動産の実務に携わる方以外は、宅地建物取引士の資格を持つ直接的なメリットはありません。
しかし、宅地建物取引士の資格を取ることで、一般の方にはわかりにくい契約条件や法律を理解できるようになるため、不動産購入時のリスクを減らし、不動産投資を有利に進められるようになるでしょう。
2. 賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士は、2021年4月から新たに不動産関連の国家資格になりました。賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の管理を行い、不動産オーナーの資産の活用や賃借人の安心・安全を確保する役割があります。
日本では今後新築住宅の建設よりも、既存住宅の利活用がメインになると言われています。そのため、物件を長期に渡って維持・活用していく役割がある賃貸不動産経営管理士のニーズは高いと言えるでしょう。
宅地建物取引士は、購入・入居までが主な業務である一方、賃貸不動産経営管理士は、入居後の管理が主な役割です。
不動産投資を検討している方は、賃貸不動産経営管理士の資格を取得することで、建物の管理や空家対策を学べるため、収益性の向上に役立つでしょう。また、不動産の管理を管理会社に丸投げするのではく、自分でも「経営」という視点を持って不動産投資に取り組めます。
【参考】賃貸不動産経営管理士
3. ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、家計の管理や資産運用に関する資格です。
ファイナンシャルプランナーの資格を取得することで、収支のバランスから自分に合う不動産を選んだり、購入後のキャッシュフローを管理したりできるようになります。
なお、ファイナンシャルプランナーと一口に言っても資格は数種類あります。FP技能士と呼ばれる資格は国家資格でAFP、CFPと呼ばれる資格は民間資格であるため受験する際には違いに注意しましょう。
ファイナンシャルプランナーの資格は、不動産投資の資金計画や節税対策などを、しっかり行いたい方におすすめ向けの資格です。
【参考】日本FP協会
4. マンション管理士
マンション管理士はマンションの維持・管理に関する国家資格です。
主な業務内容として、マンションの管理組合に対するコンサルティングを行います。たとえば、マンションの管理規約改正に対するアドバイスや、大規模修繕工事の計画立案などです。
マンション管理士の資格を取得することでマンション管理に関する知識が深まります。そのため、区分マンションや一棟マンションの投資を検討している方におすすめの資格と言えるでしょう。
【参考】マンション管理士試験
5. 住宅ローンアドバイザー
住宅ローンアドバイザーとは名前のとおり、住宅ローンに関するアドバイスを行うための資格です。
あくまでも民間資格であるため、住宅ローンアドバイザーによる独占業務などはありませんが、ローンに関する知識が身につくため、不動産投資において有利に働くでしょう。
不動産投資は月々の収入と返済のバランスや、減価償却費と元本返済額の価格差など、いかにローンを上手に利用するかで成否が変わると言っても過言ではありません。
数多くのローンの種類のなかから、自分に合った適切なローンを選ぶためにも、住宅ローンアドバイザーの勉強をして損はないでしょう。
【参考】住宅ローンアドバイザー
6. J-REC公認不動産コンサルタント
J-REC公認不動産コンサルタントは、不動産実務検定の上級資格で「2級」「1級」に合格していないと受講できません。
J-REC公認不動産コンサルタントになるためには、課題審査をクリアする必要があります。課題審査では「相続対策のための土地活用の提案書作成」といった、コンサルティングの実務的な内容を行うため、より専門的な不動産の知識とコンサルティング能力が身に付くでしょう。
自身の資産を専門家目線で運用できたり、コンサルタントとして不動産オーナーにアドバイスできたりするため、資産運用と同時に、コンサルタント業も行いたい方におすすめの資格です。
まとめ
不動産実務検定は、不動産投資・運用を始めるにあたって必須の資格ではありません。しかし、これから不動産投資を始めようと考えている方にとっては、不動産投資に関する知識を体系的に学べる資格であるため資格取得に挑戦してみるのもいいでしょう。
「いい会社とパートナーになれば、自身の不動産投資の知識は浅くても大丈夫」と、考える方もいるかもしれませんが、パートナー選びも一定の知識が必要です。
なぜなら、何が正しい知識で本当に自分のためになる提案をしてくれるかを判断する必要があるためです。
その点、不動産実務検定は基礎的な知識を身につけるのにおすすめの資格です。
また、実際に不動産投資を始める際には、資格の取得だけでなく不動産セミナーへの参加もおすすめです。資格は基礎的な知識を得るため、セミナーは実践的なノウハウを得るため、と分けて活用してみましょう。
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