「太陽光発電投資」と「不動産投資」の比較 | どちらが儲かる?メリットやデメリットの違いは?
――効率のいい投資方法はどれだろう?
そう考える人の中には、「太陽光発電投資と不動産投資を比べたい!」という人が少なからずいらっしゃいます。
そこで今回は、太陽光発電投資と不動産投資のどちらが儲かるのか、これら2つの投資方法の特徴にどんな違いがあるのか等の情報をまとめてみました。
目次
太陽光発電投資と不動産投資、どちらが儲かる?
2つの投資方法を比べるにあたって、まずは「ぶっちゃけ太陽光発電投資と不動産投資、どちらが儲かるのか?」という、率直な疑問が浮かんできた人もいるはずです。
単純に平均利回りが良いのは「太陽光発電投資」
太陽光発電投資と不動産投資を比較した時、単純に“平均利回り”が良いのは、太陽光発電投資です。
後にも取り上げますが、太陽光発電投資の平均利回りは10%前後だと言われています。
その一方で、一般財団法人 日本不動産研究所の公表した「不動産投資家調査(2018年10月現在)」によると、東京都目黒区・世田谷区・墨田区・江東区のワンルームマンションの平均利回りは、4.4%とされています。
- 新築物件か、中古物件か
- マンションかアパートか、戸建てか
- ワンルームか、ファミリータイプか
- どこの地域にあるか
上記のような様々な条件によって、不動産投資の平均利回りには結構な差が生まれるものの、太陽光発電投資の平均利回り10%に届くような、投資用不動産の種類はかなり見つかりにくいのです。
【参考URL】
⇒ ゼロから始める不動産投資『不動産投資の利回りは何%が理想?』
要するに、“投資額の回収速度”を、儲けやすいか否かの基準にする場合、「太陽光発電投資は儲けやすい」と考えても間違いではないでしょう。
では、「太陽光発電投資と不動産投資で悩んだら、太陽光発電投資を選んだほうがいいのか?」と言うと、必ずしもそうではありません。
これら2つの投資方法には、利回りの違いと併せて比較すべき特徴がたくさんあるため、それらを把握してから、自分に適しているほうを選ぶといいでしょう。
以下では、メリット・デメリットという観点から、太陽光発電投資と不動産投資の違いを説明していきます。
太陽光発電投資の不動産投資にはない3つのメリット
- 平均利回りが10%前後と高い
- 国の法律で売電価格が決まっている (=固定価格買取制度)
- 収益が出るのが早い
【1】平均利回りが10%前後と高い
ゼロから太陽光発電投資を始める投資家には、「土地付き太陽光発電所」の人気が高いです。
全国各地で売りに出されている、土地付き太陽光発電所の中には、平均利回りが10%を超えるものが多く存在します。
利回りが高いということは、資金の回収効率が高いということ。
単純計算のうえでは、利回り10%で1000万円の土地・設備を購入した場合、年間利益が100万円なので、10年間運用すれば購入資金のもとが取れることになります。
不動産投資で10%以上の利回りを出すことは、「好条件の投資用不動産をきわめて安く購入できた」など、よほどの運とタイミングに恵まれない限り、おそらく不可能です。
不動産投資に限らず、あらゆる投資方法と比較してみても、平均利回り10%が現実的な範囲にあるのは、太陽光発電投資ならではの強みだと言えます。
【2】国の法律で売電価格が決まっている(=固定価格買取制度)
日本は、太陽光発電所で発電した電力を10年間、あるいは20年間決まった価格で買い取る「固定価格買取制度」を、2012年から導入しています。(通称:FIT法)
例えば「14円/kWh」というように、発電した電力の買取価格が固定されていると、収支計算がしやすく、なおかつ的確になりやすいです。
(決められた買取価格に平均発電量をかければ、それだけでかなり精度の高い「見込み利益」が算出できます。)
なるべく的確な収支のシミュレーションができれば、リスクヘッジがしやすくなる、金融機関に融資の話をしやすくなるといった、様々な利点があります。
電力の買取価格は、不動産投資でいう家賃にあたりますが、家賃は国が一定額を保証しているものではありません。
また、10~20年後は家賃を下げなくてはいけない可能性が高く、その下げ幅は運用開始時点では分からないことから、収支計算のしやすさ・的確さはどうしても太陽光発電投資に劣るわけです。
【参考】
【3】収益が出るのが早い
太陽光発電投資は、パネルを設置・電力会社と連携後、すぐに売電を始めることが可能です。
不動産投資の場合、基本的に“運用開始から”ではなく、“入居開始から”収益が入り始めるので、初動性は太陽光発電投資のほうが高いと言えるでしょう。
つまり太陽光発電投資は、収益が出るのが早いということです。
太陽光発電投資の不動産投資にはない3つのデメリット
- 天候・天災の影響を大きく受ける
- 電力会社によって売電できる量が減るリスクがある
- 固定価格が年々下がってきている
【1】天候・天災の影響を大きく受ける
太陽光発電投資の設備は、基本屋外・周囲に直射日光を遮るものが無い場所に設置するため、天災による被害が出る可能性が高いです。
投資用不動産と比較して、太陽光発電の設備が、豪雨・豪雪・台風・津波・地震などの影響を強く受けてしまうことは想像に難くなく、設備が破損する可能性も十分にあり得ると思ったほうがいいでしょう。
例えば水害が起こった時、「太陽光パネルからの発煙事故」が多く報告されます。
不動産投資の場合、修理・修繕リスクは考えても、全壊するところまで想定することは、そう無いと思います。
ただし太陽光発電投資の場合、全壊リスクが不動産投資よりも顕在的なのです。
また、天候が悪い日が続くと、発電量が減るというデメリットもあります。
【2】電力会社によって売電できる量が減るリスクがある
ある地域内において、電力の消費量よりも供給量のほうが著しく多くなった場合、各電力会社に「出力抑制(または出力制御)」が指示される場合があります。
出力抑制の指示を受けた電力会社は、一時的に太陽光発電で発電した電力を、買い取ってくれなくなる可能性があるので注意が必要です。
これまで、出力抑制がかかるのは種子島・徳之島など、離島であることが多かったのですが、2018年10月からは九州電力の管内において、出力抑制が実施されました。
沖縄電力・四国電力・中国電力の管内も、今後出力抑制を実施する予定のある地域です。
【3】固定価格が年々下がってきている
太陽光発電投資ならでは、不動産投資にはないメリットとして、「固定価格買取制度により、申請段階で電力の買取価格(円/kWh)が決まり、それが最大20年間続く」ことを先述しました。
ただ、年々その固定価格は減少している傾向があります。
「売電」というシステム自体がなくなる可能性は薄いだろうとされていますが、これからも徐々に固定価格が下がっていくとするなら、収益性がゼロになる可能性を考えなくてはいけません。
具体的には、太陽光発電装置のメンテナンス・維持費用と収益が相殺(または赤字)になってしまう可能性のことです。
太陽光発電投資と不動産投資の違いを整理しよう
ここまで、太陽光発電投資だからこそのメリットやデメリットを基準に、不動産投資との違いを説明してきました。
「自分には太陽光発電投資と不動産投資のどちらが向いているのか?」を考えるためには、これらの比較が大変重要です。
ここで1度、ここまで話に出た内容を含めた『表』を見て、太陽光発電投資と不動産投資の違いをおさらいしておきましょう。
太陽光発電投資 | 不動産投資 | |
---|---|---|
メリット | ・高利回り ・固定価格買取制度がある ・収益が出るのが早い |
・現物資産価値が高い(補足2) ・生命保険の代わりになる ・長期資産形成商品としては利回りが良い |
デメリット | ・天災リスクが大きい ・出力抑制による売電負荷リスク ・20年目以降の買取価格が不透明(補足1) |
・空室リスクが大きい ・維持管理費が高い ・流動性(換金性)が低い |
【補足1】20年目以降の運用メリットを比較
“20年目どう運用できるか分からない”のは、太陽光発電投資にも不動産投資にも、共通する懸念事項です。
ただし不動産投資の場合、30年以上で組まれる融資が多いことからも分かるように、20年より長い運用が前提となっている節があります。
この前提は、長期的な資産形成におけるアドバンテージと捉えることができるでしょう。
【補足2】資産価値を比較
太陽光発電投資に適した土地は、その他の活用には向かないことが多いです。
そのうえ、デメリットの項目で先述したように、天災の影響を大きく受けた“設備全壊”の可能性があります。
設備(建物)としての価値・土地としての価値、どちらも高く得られるのは不動産投資のほうです。
太陽光発電投資と不動産投資の情報収集をするなら?
太陽光発電投資、あるいは不動産投資について、さらに情報収集をしたい人は、信頼できそうなサイトの閲覧や初心者向けセミナーへの参加が推奨されます。
太陽光発電投資の情報収集に役立つサイト
⇒ タイナビ発電所「太陽光コラム」の一覧
※上記サイトへの新しいページが開きます。
太陽光発電投資をもっと知るためのセミナー
⇒ タイナビ発電所「開催中の太陽光発電投資セミナー・個別相談会の一覧」ページ
※上記サイトへの新しいページが開きます。
不動産投資の情報収集に役立つサイト
⇒ 健美屋「不動産投資コラム」の一覧
※上記サイトへの新しいページが開きます。
⇒ グランヴァンタイム「はじめての不動産投資コラム」の一覧
※上記サイトへの新しいページが開きます。
不動産投資をもっと知るためのセミナー
⇒ LIFULL HOME’S 不動産投資「不動産投資セミナーを探す」
※上記サイトへの新しいページが開きます。
⇒ グランヴァンタイム「初心者向け不動産投資セミナー」
※上記サイトへの新しいページが開きます。
まとめ
以上、太陽光発電投資と不動産投資の違いについて、まとめました。
「どちらの投資方法がイチ押しなのか、教えてほしい!」という意見もあるかと思いますが、太陽光発電には太陽光発電のメリット・デメリットが、不動産投資には不動産投資のメリット・デメリットがあるため、正直なところ「人による」としか、答えられないのです。
これは太陽光発電と不動産投資の比較に限らないことで、むしろいずれかの投資方法だけが優れているように示す情報は、「本当かな?」と一歩引いた視点を持ち、鵜呑みにしないようにするべきと思われます。
堅実な投資・資産形成のためには、フラットな視点から、手間を惜しまず情報収集することが必要不可欠でしょう。
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