「不動産投資はマイナス収支でも大丈夫」は本当?懸念すべき点を易しく解説
不動産投資において、毎月の家賃収入から月々のローン返済額などを差し引いた時に、お金が余る状態を「プラス収支」、お金が足りなくなる状態を「マイナス収支」と言います。
収支のマイナス分は持ち出し費用、すなわち貯蓄などから自己負担する必要があるので、単純に考えれば収支は毎月プラスであるに越したことはありません。
しかし、都心部の不動産など、マイナス収支であっても投資する価値がある不動産もあるので、一概に「プラス収支の不動産がよい」あるいは「マイナス収支の不動産はダメ」と判断できないことも、また事実です。
そこで本記事では「マイナス収支が問題ないか判断できる状態」をゴールに、以下を解説していきます。
- マイナス収支がOK・NGのケース
- マイナス収支で損をする不動産投資を避ける方法
不動産投資の営業を受けたり、友人から話を聞いたりして不安に感じている方はぜひ最後までご覧ください。
目次
不動産投資におけるマイナス収支とは?
不動産投資において、マイナス収支とは「支出の合計額が収入の合計額を上回っている状態」を指します。それでは、不動産投資における収入と支出とはそれぞれ何を指すのでしょうか。こちらでは、以下の2点について詳しく解説します。
すでに不動産投資のマイナス収支の状況を理解している方は次章の「マイナス収支は問題ないのか?【結論:計画による】」よりご覧ください。
1.不動産投資における収入
不動産投資をしている際、賃貸事業の運営で得られる収入は以下の3つを指します。
- 家賃
- 礼金
- 更新料
不動産投資家は、購入した物件を入居希望者に貸し出すことで家賃収入を得ます。礼金は「大家さんへのお礼」として受け取るお金なので、収入に該当するものです。
更新料も、賃貸契約の更新時に支払われるお金なので収入です。一方で「敷金」は、退去時に原状回復費用を引いてから返金するので「預け金」の扱いとなります。
入居者が入っていない空室状態になると家賃が入ってこないため、「収入ゼロ・支出あり」になり、マイナス収支になってしまいます。また、築年数が経過して古くなってきたり、人口減少などが起きて不動産価値が下落すると、家賃が下がってしまいマイナス収支になりやすいです。
2. 不動産投資における支出
不動産投資における支出で最も大きなものは「ローンの返済額」です。最初に物件を購入する際は、仲介手数料や不動産取得税もかかります。
支出としては以下があげられます。
- ローン返済額
- 管理費
- 修繕積立金
- 賃貸管理委託料
- 固定資産税
リフォームをする際はリフォーム費用も含まれます。さらに税金も、支出として計上する必要があるので注意しましょう。管理費や修繕積立金は決まっていてコントロールできない場合が多いため、上記の内おさえられる支出は「ローン返済額」「賃貸管理委託料」です。
不動産投資において、先ほど紹介した家賃や敷金、更新料の収入合計を上記の支出額が上回っている状態をマイナス収支と呼びます。
マイナス収支は問題ないのか?【結論:計画による】
株式や投資信託などどのような投資も常にプラス収支である保証はありません。不動産投資の場合も、マイナス収支が問題ないかはケースによって異なるため、本章では以下に分けて解説します。
どのような状態のマイナス収支であれば問題ないのか気になる方は、参考にしてください。
1. マイナス収支がOKの場合
マイナス収支でも、毎月の持ち出し金額よりも将来的に得られる家賃収入の方が大きければ、投資を続けても良いと言えるでしょう。「ローン完済後も家賃保証が継続される」「数十年後も需要の下がりにくいエリアの物件である」など、収入が安定すると予想する根拠が明確な場合は、最初はマイナス収支でも将来的にプラスになりやすいです。
例えば、35年ローンを組み、毎年12万円の持ち出しが生じているケースを考えてみましょう。
年間支出12万円 × 35年 = 420万円
ローン完済後の家賃から諸経費を引いた収入が毎月7万円の場合、5年間で420万円を上回ります。自己資金から出した金額を回収でき、その後は家賃収入から諸経費を引いた分がプラスになる計算です。
ローン返済後の収入と持ち出し金額のバランスを比較し、将来的なリターンが大きいのであれば、マイナス収支で運営しても良いと言えるでしょう。
逆に、毎月プラス収支であると見せかけて、実際は運用の継続性に乏しい物件を紹介されるパターンもあります。想定家賃収入を周辺相場よりも2〜3万円程度高く提示し、「新築だから相場より高くても入居者が集まります」「人気エリアなので家賃が高くても大丈夫です」などと言って、家賃を相場以上に高くして、収入を多く見せているケースです。
確かに新築や人気エリアなどであれば家賃が多少高くても、最初は入居者が集まるかもしれません。しかし、築年数が経過するにつれて入居者の募集が難しくなりやすく、収支が悪くなる可能性が高いので、良い計画とは言えないでしょう。
2. マイナス収支がNGの場合
当然ですが、マイナス収支がNGの場合もあります。以下に当てはまるマイナス収支の物件は注意が必要です。
- 収支計画どおりの収入が得られる根拠や実績が不明確
- ライフステージの変化によっては支払いが厳しくなる持ち出し額である
1.の「収支計画通りの収入が得られる根拠が不明確」は1年後、10年後、30年後と長期のシミュレーションを見せてもらうと判断できます。想定家賃が下がっていない場合は「なぜ下がらないのですか?」「下がらないと言える根拠や事例はありますか?」と聞いてみましょう。
また、将来的にはプラスになる計画だとしても、持ち出し額が家計を圧迫する額に膨らむ可能性がある場合は避けましょう。サブリースをつけていない場合、空室が続くと持ち出し額が膨らみ続けます。
生活にある程度余裕があれば、不動産投資をやめたくなったとしても物件価格の変動にあわせて「良いタイミング」で売って損失をおさえられます。しかし、空室が続き、一刻も早く売らなければいけない状態になると、物件価格が下落している時期に売らざるをえない可能性もあります。
不動産業者が提示するシミュレーションの根拠が薄かったり、月々の持ち出し額が生活費用を圧迫したりといったマイナス収支は避けましょう。
将来的に損をするマイナス収支を防ぐ方法
前章で「将来的に損をしない可能性が高い」「持ち出し金額が家計に影響を与えない」の2つの条件を満たしていれば、問題ないと解説しました。
こちらでは、将来的に損をしない可能性を高めるにはどうしたらいいか、5つの方法を解説します。
- 不動産業者に収支のシミュレーションについて念入りに確認する
- セミナーなどに参加してFPなど専門家の意見を聞く
- 金利の低い金融機関でローンを組む
- 家賃の低下・空室などのリスクに備える
- 個人運用の場合は諸経費を抑える
これから不動産投資を始める方は、上記の項目を考慮した上で投資計画を立てましょう。
1.不動産業者に収支のシミュレーションについて念入りに確認する
「物件の販売価格が安いか」「利回りが良いか」だけに着目せずに、実際の収支をシミュレーションした上で資金計画を立てることが重要です。不動産投資会社がシミュレーションしたものを鵜呑みにするのではなく、自分でも計算してみましょう。
収支を確認するには、家賃収入から必要経費を除いた金額である利益だけでは不十分です。以下の項目を取り入れて、シミュレーションしてください。
- 表面利回りではなく経費を考慮した「実質利回り」
- 固定資産税などの税金
- 金利の変動
- 空室率
- 家賃の変動
シミュレーションを相談する際は悪徳な業者に注意しましょう。表面利回りで計算したり、税金などの計算が難しい費用を改ざんしたりして、不動産投資会社の利益が大幅に上乗せされたシミュレーションを提示してくる悪徳な不動産業者は実際にいます。
自身での判断に不安があれば、シミュレーションを見せてファイナンシャルプランナー等に相談してみてもよいでしょう。
2. 複数社のセミナーに参加する
マイナス収支についての考え方は会社や個人によって異なるため、複数社のセミナーに参加したり、専門家に依頼したりして幅広く意見を聞きましょう。
多くの不動産投資会社は見込み顧客の獲得を一つの目的としてセミナーを開催しているので、自社で投資をした場合の収支計画例を提示してもらえるはずです。見比べて、どのような点に違いがあるか確かめてみてください。
親切な会社であれば、他社の収支計画例についても個別相談でアドバイスをしてくれるかもしれません。何十社と回る必要はありませんが、最初に参加したセミナーで受けた営業にのせられて、安易に契約してしまわないようにしましょう。
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3. 金利の低い金融機関でローンを組む
支出をおさえるために、金利の低い金融機関でローンを組むのは有効な手段です。ローンの金利をおさえることで毎月の返済額が少なくなります。
不動産投資で利用できるローンの相場はおおむね1.5~2.3%程度です。不動産投資会社のもとで投資を行う場合は、提携している金融機関があることが一般的なので、金利を聞いてみましょう。
また、頭金を入れずに全額ローンで購入すると月々のローン返済額が高くなりやすいです。特にワンルームマンション投資は家賃収入が大きくないため、返済額とのバランスを見て頭金の額を考えましょう。
なお、金利の高いローンを組んでしまっている方でも、運用開始後に借り換えは可能ではありますが、手数料がかかります。
不動産投資における金利上昇のリスクについて知りたい方は、関連記事「不動産投資の金利上昇リスク想定 | 抑えておきたいリスクヘッジ」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
4. 家賃の低下・空室などのリスクに備える
築年数の経過に伴う家賃の下落や空室が生じると、当然収支は悪くなってしまいます。対策として以下を考慮しておきましょう。
- 家賃の落ちづらい需要の高いエリアの物件を購入
- サブリース(家賃保証制度)の利用
- リフォーム
家賃の下落率はエリアによって大きく異なるため、候補物件に近い条件の過去の家賃変動例を見せてもらうと安心です。
サブリースを契約すると空室でも家賃収入を得られます。一方で手数料が高くなるため、必要かどうかもシミュレーションして考えましょう。また、サブリースは解約条項がないような契約もあります。売却する際に利回りが低くなり、影響が出る可能性もあるため、契約の際にはが必要です。
詳しくは「サブリース契約は解約できるのか? | 解約条件や必要な流れを解説」をご覧ください。
5. 自主管理の場合は諸経費をおさえる
不動産投資会社に管理を委託しない場合は諸経費をおさえる取り組みが重要です。
物件の維持費として「清掃費」や「原状回復費」などがかかります。必要な経費は支出するべきですが、適切に見直しをしないと収支を圧迫する可能性があります。
清掃会社や工事会社の相見積もりを取得したり、仕様が過剰になっていないか確認したりして諸経費を抑えましょう。
また、ワンルームマンションなどの区分所有の場合は、エントランスなどの共用部の大規模修繕をする際に使われる修繕積立金や共用部の管理に充てる管理費を管理組合が月々で徴収しています。
東京カンテイの調査では、15階未満かつ5,000㎡以下のマンションの修繕積立金の相場は107円/㎡と発表されています。区分マンション投資であれば、この修繕積立金から修繕費用はまかなわれます。
管理費は、東京カンテイの調査で首都圏の住宅数50戸未満のマンションなら330円/㎡と発表されています。
修繕積立や管理費の金額はコントロールできませんが、清掃費や工事費は依頼する業者によって料金が異なります。各業者に言われるがまま契約せずに、委託内容と料金はしっかり検証しましょう。
適切な諸経費の相場がわからないという方は、不動産投資会社に相談してみることをおすすめします。
「プラス収支だからOK」「マイナス収支だからNG」という単純な判断をしないことが大切
不動産投資はマイナス収支でも問題ない場合と見直したほうが良い場合があります。
「プラス収支だから大丈夫」「マイナス収支だからダメ」という判断はせず「将来的に資産価値が出る物件なのか?」「マイナス収支の場合、その資産価値でカバーできるのなのか?」を総合的にみて、購入を判断するべきでしょう。
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