小型株とは?| 投資初心者が知りたいメリット・デメリット、優良小型株の探し方を解説

株式投資イメージ

“株”は、特徴によっていくつかの種類に分けることができます。

その分け方の1つが、「小型株」「中型株」「大型株」といった大小による分け方です。

今回は、上記のうち小型株について、分かりやすく解説していきます。

記事の最後では、「投資初心者にとって小型株はオススメなのか」どうかを、考えてみましょう。

小型株とは? 定義を分かりやすく説明

説明

一般的に小型株とは、時価総額ならびに流動性が低い銘柄のことを指します。

例えば、東京証券取引所・1部上場銘柄の場合、時価総額(株価×発行済み株式数)と流動性が高い上位100銘柄を「大型株」、次いで上位400銘柄を「中型株」、そしてそれ以外を「小型株」と定義しています。

2部上場銘柄や、東証マザーズ銘柄なども、基本的には小型株です。

小型株は数が多く、人気・不人気の差が大きいことが特徴

先述した小型株の定義で分かるように、小型株に分類される銘柄数は非常に多いです。

同じ小型株のなかでも、目立つ人気の銘柄もあれば、目立たなくて不人気の銘柄もあるでしょう。

もちろん、各銘柄の業績・今後の見通しも様々です。

小型株の3つのメリット

メリット

小型株に投資するメリットは、主に下記の3つです。

  1. 少額で投資できる
  2. 株価の大きな値上がりが期待できる
  3. 個人投資家が参加しやすい

1.少額で投資できる

時価総額下位の小型株は、上位と比べて全体的に株価が低くなっています。

10万円までの少額運用ができる株も、小型株の範囲では多く見つかります。

2.株価の大きな値上がりが期待できる

急上昇

事業規模が小さく将来性が高い企業が多いことは、小型株ならではの特色です。

まだ注目の集まっていない有望な小型株に目をつければ、将来的に株価の大きな値上がりが期待できます。

こうした株を「大化け株」と呼ぶことがあります。

3.個人投資家が参加しやすい

ある会社の株を5%買った段階で公表しなければいけない「5%ルール」の存在や、自分の売買で値崩れを起こすリスクのために、機関投資家はあまり小型株を購入しません。

つまり“個人の投資家にとって”、プロと同じ土俵で売買しなくてもいいというメリットが発生し、取引に参加しやすくなるのです。

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小型株の3つのデメリット

デメリットについて考える

小型株には、もちろんデメリットもあります。主なものは下記の3つです。

  1. 流動性が低く、すぐに売却できない可能性がある
  2. 経営が不安定な企業が多い傾向がある
  3. 株価の値動きが荒くなりやすい

1.流動性が低く、すぐに売却できない可能性がある

先述したとおり、小型株の特徴の1つに、流動性が低いことが挙げられます。

“流動性が低い”ということは、“売りたいときにすぐに売れない可能性がある”ということです。

具体的には、所有小型株をできるだけ早く片付けたくても、希望価格よりかなり売価を下げなくては買い手がつかなくなるケースが想定されるでしょう。

2.経営が不安定な企業が多い傾向がある

不安定

規模が小さい企業では、事業が軌道に乗っておらず経営が不安定な場合が少なくありません。

小型株に限った話ではないものの、事業が発展せず業績が悪化すれば、おおむね株価は下落し、投資家は投資資金を失う可能性があります。

3.株価の値動きが荒くなりやすい

小型株は時価総額が小さいため、取引株数の影響を受けやすいです。

何かのキッカケで投資家から注目を集めて一気に株価が上昇したり、まとまった売り注文が入って株価が大幅下落したりするため、常に気が抜けません。

話題の“小型株集中投資”についての評判は?

集中

最近は、“小型株集中投資”がよく話題になります。

その名の通り、厳選した数銘柄の小型株に、集中して投資を行う方法です。

テンバガー(10倍株)を狙いに行くロマンある投資方法

小型株集中投資は、少ない球数でホームランを狙いにいく投資方法です。

成功した暁には、大きな利益とともに大きな達成感を得られることでしょう。そこにはある種のロマンがあります。

2倍株・3倍株、あるいはテンバガー(10倍株)を、有象無象の小型株のなかから選び抜くことが、小型株集中投資家の腕の見せ所です。

「小型株集中投資は若年層の特権なのかも?」という意見もある

利回りがいいのか考えるイメージ

小型株集中投資には夢がありますが、先述したデメリット(経営が不安定な企業が多い傾向がある等)を考慮したうえで、「余剰資金に余裕があって、なおかつやり直しがきく若者の特権なのかも?」という考えになった人もあるようです。

そのため、小型株集中投資ではなく、中~大型株投資や他の資産運用方法との並行をすすめる人も多いでしょう。

小型株集中投資の成功には、徹底的なビジネス理解が必要

小型株集中投資を成功させるには、大化けする可能性が高い銘柄を選び抜く力が必要です。

“これまでの業績”にとらわれず、“これからの業績”を具体的にイメージするため、その企業の経営者にひくとも劣らないビジネス理解が求められるでしょう。

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優良小型株の探し方 / 探すときのポイント

株の銘柄の検索

では、いい小型株を見つけたい場合、実際にどうすればいいのでしょうか?

以下、有効ないくつかの方法をピックアップしてみました。

1.スクリーニングツールを利用する

多数ある小型株のなかから、「まずは投資候補をざっと見てみたい」という場合、無料のスクリーニングツールを利用することが便利です。

特に使い勝手がいいとされているのが、『バフェット・コード』というツールです。

優良小型株の検索条件例としては、以下のような数値が挙げられています。

  • 時価総額:100億円以下
  • 自己資本比率:60%以上(財務健全性)
  • PER(予想):30倍以下(割安性)
  • ROE:12%以上(収益性)

参考:小型株の定義とは?バリュー投資と相性が良い理由と銘柄の探し方・おすすめ投資ファンド

上記のような検索条件を設定することで、投資成功確率の高い小型株が見つかりやすくなります。

2.投資信託に組み込まれている銘柄をチェック

投資信託には各々テーマがあって、“小型株”でまとめられている場合があります。

「自分でスクリーニングをすることが面倒」な場合は、こうした投資信託に組み込まれている銘柄をチェックしてみるのも1つの方法です。

どんな銘柄が組み込まれているのかは、各投信のサイト・比較サイトなどで調べることができます。

「投資信託ってそもそも何?」という方は、「投資信託の選び方 | 初心者がおさえるべき6つのポイント」を併せてご覧ください。

3.自分の直感や体験を信じることもある

数字ではなく自分の直感や体験が、小型株選びに関わることも少なくないようです。

「最近人が入っているよな」と思ったお店のヒット理由を考察したり、スクリーニングの結果がよくても直感的に「なんか違うなぁ……」と思う銘柄は避けたりと、自分の主観を信じることも時には必要かもしれません。

小型株が気になる人にオススメの本は?

現在、小型株運用の基本的や成功譚、具体的な優良株の探し方に関する書籍が多数出版されており、Amazonなどで簡単に購入できます。

以下、Amazonにてレビューが比較的多く集まっており、評価も高い本をオススメとしていくつか紹介しておきましょう。

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

著者:渡部 清二
出版社:東洋経済新報社
発売日:2018/6/15
単行本:256ページ

《Amazonの口コミ抜粋》

・長期資産運用向け
・四季報だけでなく何に注目して株を買ったらいいのか参考になった
・投資初心者にも参考になった

10万円から始める! 小型株集中投資で1億円

著者:遠藤 洋
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2019/12/19
単行本(ソフトカバー):176ページ

《Amazonの口コミ抜粋》

・株式投資の新しい視点を学ぶことができます
・読みやすい / シンプルで分かりやすい
・現実的にはこの本にあるような銘柄を見つけるのは難しいと思う

10万円から始めて資産を200倍にする小型成長株投資

著者:長田 淳司
出版社:フォレスト出版
発売日:2021/1/22
単行本(ソフトカバー):188ページ

《Amazonの口コミ抜粋》

・株式投資のハードルを下げてくれました
・具体的で分かりやすい
・財務諸表においても家庭に例えて例にされたりなど、とっつきやすい書籍

【まとめ】小型株は株の初心者にオススメか?

まとめ

さて、ここまでで小型株とは何なのか、そのメリットやデメリットを主にまとめてきました。

最後にもう1度、おさらいしておきましょう。

■小型株の3つのメリット

・少額で投資できる
・株価の大きな値上がりが期待できる
・個人投資家が参加しやすい

■小型株の3つのデメリット

・流動性が低く、すぐに売却できない可能性がある
・経営が不安定な企業が多い傾向がある
・株価の値動きが荒くなりやすい

これらを踏まえると、本当に投資 / 株が初めてである人にとって、小型株への投資が最善策とは言えないのが現実でしょう。

この考察には、デメリットの“株価の値動きが荒くなりやすい”が大きく関わります。

「小型株はリスクが小さい」と誤解している人もいますが、実際はそうではありません。

株価の浮き沈みが激しく、投資資金をまるごと損失してしまうケースも珍しくはないのです。

いっぽうで、投資初心者の第一条件になりやすい“少額での投資”は、小型株だけでなく中~大型株投資でも、あるいは別の資産運用方法でも満たすことができます。

つまり、ただ少額運用がしたい投資初心者の場合は、小型株投資にこだわらなくてもよいのです。

少ない元手で一攫千金を狙うなら、小型株投資(とくに集中投資)はオススメですが、もう少し保守的に資産を運用したい場合は、他の方法も視野に入れたほうがよいかもしれませんね。

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