不動産投資と個人年金保険・株式投資を比較|自分にピッタリの投資はどれ?
将来に備えて年金以外にも貯蓄や投資を始めたい方や、仕事の隙間時間で小遣い稼ぎができる投資がないか探している方は多いかと思います。
その中で不動産投資はどうかなと思った時に、それ以外の投資や貯蓄方法も気になっているのではないでしょうか。
今回は不動産投資と、個人年金保険・株式投資の比較をしてみました。
目次
不動産投資・個人年金保険・株式投資の比較表
まずは簡単に3つの投資を比較した簡単な表をご覧ください。
不動産投資 | 個人年金保険 | 株式投資 | |
投資期間 | 長期 | 中-長期 | 短-中期 |
老後の備え | ◎ | △ | △ |
最終運用益 | ◎ | △ | ×~◎ |
死亡時の保障 | ◎ | △ | × |
節税効果 | △ | ○ | × |
換金性 | × | ○ | ◎ |
手間 | △ | ◎ | × |
ここからは、不動産投資と残りの2つをそれぞれ詳しく比較していきます。
【老後の備えに】個人年金保険と不動産投資の比較
個人年金保険と不動産投資は両方とも、公的年金以外の老後の備えとして、手間がかからない投資商品として人気があります。
個人年金保険の特徴
【概要】
- 私的年金としての役割を持った保険商品の一種
- 積み立て方法
契約時から契約時に定めた年齢(60歳・65歳など)まで毎月または毎年保険料を払込・または契約時に一括で保険料を払込 - 老後にもらえるもの
払込期間が終了するとその後一定期間、または生涯にわたって払込総額+毎年一定額を年金として受け取ることができます。 - 本人が死亡した時は?
契約者本人が死亡した時は、保険料払込中の場合は、払込累計額が遺族に支払われ、年金受取開始後の場合は、契約によって年金が遺族に支払われるかどうかや、受給期間が変わります。
- 保険料控除を受けられる
- 目標通りに貯めやすい
- 中途解約すると元本割れする可能性がある
- 利回りが低い(※外貨積み立ては例外)
- インフレリスクに弱い
様々なプランがありますが、30年〜40年積み立てる人が多く、中途解約すると元本割れしてしまうことがほとんどです。
「年金保険は利回りがいい」というイメージを持たれているかもしれませんが、それは昔の商品か、外貨積み立ての年金保険のことかもしれません。
外貨積み立ての個人年金保険は、利回りが高い一方で、変動リスクもありますので安定的な投資と言うのは難しいでしょう。
不動産投資の特徴
【概要】
- 不動産(マンション・戸建住宅・ビルなど)を購入し、賃貸または転売することで収益を得る投資
- 購入方法
一括購入・頭金+ローン・ローンなど。
ローンの場合、[ローン返済額-家賃収入]が月々の実質自己負担額となり、定年までに返済できる計画が望ましいといわれている。 - 老後に得られる・残るもの
マンションなどの不動産・ローン返済後は毎月一定の家賃収入 - 本人が死亡した時は?
不動産と家賃収入が残る。また、ローン返済中に死亡した場合、団体信用生命保険に加入していると、ローンが完済され、遺族に不動産・家賃収入が残る。
- 資産として不動産が残る
- 相続税対策になる
- インフレに強い
- 長生きするほど運用益が得られる
- 年金保険よりは手間がかかる
- 空室・天災などのリスクに左右される
- 換金性が低い
不動産投資と個人年金保険の運用益の比較
具体的にイメージしていただくために、30歳の男性が35年間(65歳まで)投資する場合のシミュレーションを紹介します。
個人年金保険の場合
- 月々の掛け金:10,000円
- 払込総額:420万円(1万円×12ヶ月×35年)
- 年金受け取り累計額:約441万円(約44.1万円×10年)
- 一括受け取りの場合:約435万円
- 年金受け取り率:105.2%
不動産投資(中古区分マンション)の場合
●物件価格・ローンの前提
物件価格:2,110万円
ローン金額:2,100万円
ローン金利:2.0%
ローン期間:35年
●月々の持ち出し:1,095円
家賃収入 | +91,000円 |
ローン返済額 | -69,565円 |
家賃保証手数料(家賃の5%) | -4,550円 |
管理費・修繕積立金 | -17,980円 |
●35年間でかかるトータルコスト:約450万円・・・【A】
持ち出し累計 | 約46万円(1,095円年×12ヶ月×35年) |
購入時諸費用(登記費用等) | 約60万円 |
固定資産税 | 約175万円(年約5万円×35年) |
不動産取得税 | 約15万円 |
原状回復費・設備交換費 | 約150万円 |
●65~74歳の10年に受け取れる・残る資産
①家賃収入:約730万円[(家賃収入-(家賃保証手数料+管理費・修繕積立金))×12ヶ月×10年)-(固定資産税(10年分)+原状回復費・設備交換費)]
②物件価格:約1100万円
受け取り累計額:1830万円(①+②)・・・【B】
運用益:約1,380万円(【B】受け取り累計額-【A】35年間のトータルコスト)
受け取り率:406.6%(【B】受け取り累計額÷【A】35年間のトータルコスト)
●65歳で売却し一括受け取りした場合
65歳のときの物件価格:約1,220万円・・・【C】
運用益:約770万円(【C】65歳時物件価格-【A】35年間のトータルコスト)
受け取り率:271.1%(【C】65歳時物件価格÷【A】35年間のトータルコスト)
ご覧いただくように長期で運用した方が運用益が出せます。
さらに75歳以降も受け取れますし、このシミュレーションはあくまでも1部屋の場合です。複数の物件を効果的に運用することで、より多くの収入が入ってくる事になります。
【目的で変わる】不動産投資と株式投資の比較
不動産投資と株式投資を比較する場合、重要なのは「何を目的に投資をするか」となり、どちらがいいかは一概に言えません。
しかし、結論から言うと、老後の備えなら不動産投資、短期的な収益なら株式投資、が有利になります。
不動産投資と株式投資の大きな違い
不動産投資は、物件をローンで購入し長期的に賃貸に出して運用した結果の利回りを重視した、いわゆるインカムゲイン中心の投資です。
一方株式投資は、所持する銘柄の値動きを見て、値上がりと同時に売却しその差額を利益とする、いわゆるキャピタルゲインを中心とする投資です。
FXや仮想通貨も株と同じく投機的な運用を行います。投資信託や不動産投資信託(J-REIT)はその中間と言えるのではないでしょうか。
かかる手間は不動産投資の方が圧倒的に少ない
本気で株で儲けたいと考えている人は一日中値動きを見ている必要があります。
しかし、マンション投資は物件選びさえ慎重に行えば運用中は多少の管理や修繕が必要なだけでほとんど手間がかかりません。
もちろん、不動産投資でも人気の出そうなエリアの物件を購入して値上がりと同時に売却し短期的な収益を得ることもできますが、一般人向けではありません。
また、株でも安定的な配当を受けられる銘柄を保持するのであれば、それほど手間はかかりません。
サラリーマンにオススメなのは不動産投資
サラリーマンに株と不動産投資のどちらかをオススメするなら、やはり不動産投資です。
その最大の理由は、手間のかからなさです。
平日は毎日仕事で忙しく帰りも遅い、土日くらいゆっくりしたい…そんなサラリーマンに毎日値動きをしっかりチェックしなければいけない株は、趣味でもない限りとても大変でしょう。
不動産管理会社に管理を任せて、時々やりとりをするだけで大丈夫な不動産投資は、忙しいサラリーマンにピッタリの投資と言えるでしょう。
ただし、換金性の悪さがデメリットであり、現金化したい時に売ると損することもあるので注意は必要です。
不動産投資1つに絞らず複合的に運用するのがポイント
不動産投資は老後の備えとして返戻率が高く、手間のかからない投資として、メリットの大きい投資ということが明らかになりました。
ただ、何にいくら投資するかについては、決してどれががいいとは一概に言い切れませんので、まずは目的と、月々に使えるお金を明確にして自分に合った投資を選ぶことが大切です。
また、1つの投資対象に絞らず、短期的な収益を得られる株などの投資、長期的な収益を得られる不動産投資、そして付加的な要素としての節税効果などそれぞれのメリットを生かして複合的な運用を行うことがおすすめです。
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