一棟マンション投資は初心者に不向き!破産を避けるためのリスク解説
- REIT (リート・不動産投資信託)
- 小口化不動産投資
- 一棟マンション投資
- 区分マンション投資
- アパート投資
- 戸建て投資 …etc
ひと口に不動産投資と言っても、上記のように様々な種類があり、これら不動産投資の方法の中から、自分に合った不動産投資の方法を選ぶことが重要です。
不動産投資の本やWEBコラムをみてみると、「大きな利益がでる一棟マンション投資はすごい!」といった内容が多く、一棟マンション投資の裏側(デメリット)を深く知らずに、憧れて手を出してしまう方が多いです。
実際にこのパターンで破産をした人もいます。
そのためココから、一棟マンション投資の裏側、すなわち知っておくべきリスクをお伝えします。
目次
一棟マンション投資とは?
“一棟マンション投資”とは、土地・建物(マンション)すべてを購入して所有する、ハイリスク・ハイリターン型の不動産投資です。
※土地だけを購入し、新築一棟マンションを建設して、運用していくケースもあります。
一棟マンション投資は、マンションの何室かを所有する、ローリスク・ロングリターン型の区分マンション投資と、対照的な不動産投資方法と言えます。
また、一棟マンション投資はリスクやリターンなどの違いから、一棟アパート投資とは区別して考えられることが多いです。
マンション投資について詳しく知りたい方は「マンション経営の仕組み|メリットとリスクについて」で解説していますので、併せてご覧ください。
一棟マンション投資に対する認識の甘さは危険
不動産投資について書かれている本を読んでいると、「お金持ちになるためには、一棟マンションを買うべき!」と推されているのを度々目にします。
確かに間違いではないのですが、決して”一棟マンション投資は儲かる”という言葉だけを鵜呑みにしてはいけません。
先述したように、一棟マンション投資はハイリスク・ハイリターンな投資方法であるため、不動産投資の初心者が安易に手を出してしまうことは、とても危険です。
一棟マンション投資推しの本に書いてあることを、不動産投資の初心者が実践していくのは至難の業なのです。
もちろん、一棟マンション投資の経験を積まれている方でも、決して甘く見てはいません。
一棟マンション投資は”投資”より”経営”に近い
一棟マンション投資に関しては、”投資”より”経営”に近いと考えたほうが、もしかすると的確かも知れません。
- 土地のこと
- マンションの構造に関する知識
- 付近のマンションの情報
- マンションの周辺環境のこと (新しい施設のオープンやクローズ情報など)
- 最新の金利に関すること
- 税金のこと …etc
上記のような、不動産投資に関連するあらゆる情報の収集を時間をかけて行い、じっくりとマンションを比較して、考え抜いたうえで一棟マンションを購入することが基本です。
例えば、失敗せずに一棟マンションを選べる人は、日中の仕事から帰ってきて、そこからさらに3時間ほどかけて一棟マンション投資の勉強を行っているのです。
そしてもちろん一棟マンション購入後も、堅実な資産運用のためには、上記の情報収集を常に行っていく必要があります。
なぜなら、環境は変化していくものなので、常に収益がでるとも限らず、手放す時期なども戦略の1つとなってくるので、情報は常に持っておく必要があるからです。
ここまでで「決して簡単に手を出せるものではない」ということが、お分かり頂けたでしょうか?
以下でさらに、一棟マンション投資についてよくある認識の甘さを2つ、例として取り上げてみましょう。
【認識の甘さ1】一棟マンション投資の初期費用についての認識
土地代と建物(マンション)代を含めた購入費用は、“数千万円~1億円”と非常に高いです。
「フルローンを組むことができれば問題無いのでは?」と思われる方がいらっしゃるかも知れませんが、一棟マンションのフルローンは審査も厳しく、おそらくほとんどのケースで頭金を支払う必要があります。
仮に組んだローンの頭金が2割だとしても、1,000万円や2,000万円くらいにはなるでしょう。
つまり、高額なローンの頭金(初期費用)を払える前提で無いと、そもそも一棟マンション投資は難しいのです。
まれに周辺のマンションと比較してずっと安いマンションがあるかもしれませんが、その代わりに”耐用年数の都合で来年には絶対にリフォームをしなくてはいけない”というような、投資家にとって嫌な条件を抱えていることもあるため、”そのマンションが安い理由”を抜かりなく確認しなくてはいけません。
【認識の甘さ2】ハイリスク・ハイリターンについての認識
一棟マンション投資に見られるハイリスク・ハイリターンとはどういうことなのか、正確に認識していない方も多いです。
極端な例ですが、災害でとあるマンションが全壊してしまったとしましょう。
1室所有(区分マンション投資)であれば、その1室分の損失だけで済みます。
しかし、一棟マンション投資の場合は、マンションの全部屋と全設備が損失となります。
不動産投資で起こり得るリスクのダメージ(損失)がとてつもなく大きい、これが一棟マンション投資におけるハイリスクの意味です。
逆にハイリターンは、主に全室所有することによる家賃収入の大きさのことを指します。
また何らかの理由でエリアの人気が購入時よりも上がった場合、マンションの価値も合わせて上昇し、売却益(キャピタルゲイン)が大きく出ることもあり得ます。
ただし、後述する空室リスクなどによって、家賃収入が大きいまま安定するとは限らないので、注意が必要です。
絶対に知っておくベき一棟マンション投資の5大リスク
- 空室リスク
- 金利上昇リスク
- 逆レバレッジリスク
- 修繕リスク
- 災害リスク
上記は、一棟マンション投資を始めるなら絶対に知っておかなくてはいけない、一棟マンション投資の裏側、つまり、“一棟マンション投資のリスク”です。
それぞれのリスクについて詳しく解説している本やコラムもありますが、今回の記事でも1つずつ簡単に説明していきましょう。
【1】空室リスク
一棟マンション投資の場合、マンションの規模にもよりますが、多くの部屋を所有することになります。
入居率が高ければ、もちろん家賃収入が多く入ってきますが、逆に入居率が低くなる(空室が増える)と、家賃収入は少なくなります。
区分マンション投資においても同様ですが、空室増加の影響で家賃収入だけで月々のローン支払金額を支払うことができなければ、破産をしなければならなくなることもあります。
空室対策としてマンションの家賃を引き下げれば、再び入居者が入る可能性が高くなり、”その部屋からの家賃収入が全く無い状態”からの脱却は見込めますが、家賃を引き下げた分だけ利益も少なくなることを、考慮しなくてはいけません。
【2】金利上昇リスク
金利は常に、上昇あるいは下落する可能性があります。(現在は、超低金利の状態ですが、今後徐々に上がっていく可能性が指摘されています。)
一棟マンション投資において特に怖いのは、金利上昇です。
金利上昇に伴うリスク(=ローン支払額の増額)は、ローンを組んだ上で行う投資全体につきものですが、特に一棟マンションは購入金額が高いため、少しでも金利が上昇すれば、それに応じてローン返済額も増加します。
仮に月々20万円、金利上昇の影響で月々25万円の支払いが必要になった場合、赤字になります。更に金利が上昇すると、支払えなくなる状態になることも考えられます。
そして最悪の場合、破産しなければならなくなります。
【3】逆レバレッジリスク
“レバレッジ”という言葉は、「てこの原理」のような意味合いを持っています。
てこの原理と聞くと、少ない力で大きなものを動かせるようなイメージがあると思いますが、不動産投資に置き換えると下記のような意味合いとなります。
「自己資金の範囲では本来生まれるはずのない金額の利益が、融資を受けて投資を行うことで得られること」
例えば、500万円の投資で得られる収益よりも、レバレッジを効かせて5,000万円の投資で得られる収益の方が大きいですよね。
ただし、レバレッジを利かせた投資は大きな収益を得る可能性もあれば、逆に大きく損失が出る可能性もあります。
例えば、ローン金利が上昇した場合、500万円か5,000万円だと、どちらが返済額が大きくなるでしょう?
どちらも35年ローンかつ金利等の条件を同じにして、比較をしてみましょう。
500万円 | 5,000万円 | |||
---|---|---|---|---|
ローン金利 | 2% | 2.5% | 2% | 2.5% |
毎月の支払額 | 16,563円 | 17,875円 | 165,631円 | 178,748円 |
差額 | 1,312円 | 13,117円 | ||
利息総額 | 1,956,518円 | 2,507,400円 | 19,565,182円 | 25,073,995円 |
差額 | 55万882円 | 550万8813円 | ||
利息総額差額 | 495万7931円 |
※イーローンのシミュレーターを利用して算出した結果です。
上記のように500万円と5,000万円では、金利がたった0.5%上昇しただけで、返済利息総額が495万円も増えることが見て取れます。
もし金利が1%なら更に倍、2%なら4倍も支払い金額が変わってくることになり、ローンを組んでいる分だけ大きく返済額などが変動してしまいます。
これを、逆レバレッジと呼びます。
レバレッジが効くことを過信した、無理な借り入れをしないことが、万が一の破産を防ぐための鉄則です。
【4】修繕リスク
区分マンション投資の場合、月々の支払いに修繕積立金が含まれていることが多いです。
しかし、一棟マンション投資の場合は、要は自分がそのマンションのオーナーになるということで、修繕に必要なお金は自力で準備しなくてはいけません。
もしもの修繕費用を考慮しない投資計画を立ててしまうと、急な修繕が必要になった場合に、資金を回せなくなることがあり得ます。
たとえば家賃収入から月々の支払額を差し引いたプラス分を、まったく貯蓄せずに全部自分で好きに使ってしまうと、急な修繕が必要になった場合の修繕費用を出せなくなります。
特に、マンションの外壁修繕の場合、1,000万円以上の修繕費用がかかることもあるので、修繕を考慮した投資計画を立てることが必要不可欠です。
修繕が間にあっていないマンションは、住民の満足度が下がって退去され、先述した空室リスクへも繋がります。
【5】災害リスク
近年、超大型台風の襲来や大きな地震が頻繁に起きたせいで、普通に暮らしているだけでも不安がつきものです。
どうしても、災害だけはいつ起こるか予想できませんし(台風はある程度分かりますが)、その被害規模も未知数です。
最悪の場合、マンションが全壊してしまうということも、考えておかなくてはいけないのです。
「不動産投資はどの投資方法よりも安定している」と安心しきっている方が、忘れがちなリスクです。
不動産投資について詳しく知りたい方は、「始める前に知っておきたい不動産投資の20のリスク」もご覧ください。
一棟マンション投資に失敗して破産する人がいる〜向いていない人とは?〜
リスクを理解したら、実際に一棟マンション投資に失敗したケースを見ていきましょう。本章では下記2点を紹介していきます。
- 一棟マンション投資の失敗例
- 【失敗例からわかる】一棟マンション投資に向いていない人の特徴
一棟マンション投資の失敗例
以下は、実際にあった一棟マンション投資で破産してしまった方の例です。仮に、名前をAさんとしましょう。
Aさんはもともと、区分マンション投資を、堅実に続けていました。
しかしそこに、いかにも”うまい話”が舞いこみます。
区分マンション投資で関わっている業者とは、別の業者の営業さんに、一棟マンションの購入を持ちかけられました。
マンション駐車場の収入も見込んだシミュレーションを掲示され、「毎月10万円~20万円のプラス収支がある」という言葉に魅かれて、ついにその一棟マンションを購入してしまいました。
しかし、Aさんが購入した一棟マンションの運用はまったく上手くいきませんでした。
地方マンションであったこと、周辺に企業がなく単身入居者からの需要がなかったことなどから、空室だらけの状態が続いたのです。
入居者がいないということは、専用駐車場もガラガラで、シミュレーションで聞いたプラス収支にならず、むしろマイナスとなり、月々の支払いがまったく出来なくなったため、やむなく破産手続きを取りました。
もちろん、ロングリターンを生み出していた区分マンションも、すべて手放しています。
そもそも一棟マンションにおいて、「毎月確実に10万円から20万円儲かる」ということは、ほぼあり得ません。
Aさんに一棟マンション投資の購入を持ちかけた営業さんは、“マンション満室・駐車場も満車の最良の状態”を想定したシミュレーションを掲示し、実際よりもうまい話に見せたのだと想定できます。
「違法ではないですが、モラル的にはどうなのか?」と感じますが、結局は全て自己責任です。
そもそもしっかりと自分で調査をしたり、うまく運用できている区分マンションを提案してくれた不動産投資会社の担当者に相談をすれば、Aさんの破産は未然に防げたことでもあります。
【失敗例からわかる】一棟マンション投資に向いていない人の特徴
失敗例を踏まえ、一棟マンションをおすすめできない人の特徴を解説していきます。
- 年収1,000万円・貯蓄1,000万円以下の方(目安)
- リターンだけを考える方
詳しく解説していきますので、自分に当てはまっていないか考えてみてください。
一棟マンション投資では、巨額の資金が必要になるため、ローンを組むのが一般的です。ただし、ローンを組むにしても一棟マンションを購入しようとすれば、数千万~数億円は必要なため、ローンの審査は必然的に厳しくなります。
例えば、1億円のマンションを購入しようとすれば、1割ほど頭金が払えるくらいの現金資産があるか、または年収にしても1,000万円ほどないと審査に通りづらい金融機関もあります。返済額やトラブル費用も多くなるので、上記のような年収や資産がない方には難しいのが現実です。
その分期待できるリターンが一棟マンション投資はハイリターンなので、うまく運用すれば大きく稼げます。ですが、リターンばかりに気を取られると、大きな損失を出しかねません。金額が大きいだけにリターンよりもリスクを、しっかり考える必要があります。
部屋数が多くなるため空室が多くなれば、家賃収入が大きく減ることになります。マンション一棟ともなれば状態次第で修繕費がかさんだり、家賃滞納者も複数発生する可能性があります。こうしたリスクは、事前に予測することが難しいため、リスク対策を事前に考えられない方では厳しいでしょう。
リスクを承知で一棟マンションを探す場合のポイント
ここまで読んで頂いたということは、一棟マンション投資のリスクを十分にわかって頂けたと思います。それでもリスクを承知で行いたい方のために、一棟マンション投資でリスクをおさえるポイントを解説します。
キャッシュフロー計画書を作る
不動産投資における「キャッシュフロー」とは、家賃収入から引かれる「経費」「ローン返済」「修繕費」といった金額を計算し、利益がどれだけ残るのかというお金の流れです。
一棟マンション投資では、失敗すると大損害になりかねません。ですから、事前に「キャッシュフロー計画書」を作って、あなたの希望通りの結果になるかシミュレーションしてみましょう。
中古マンションであれば、不動産会社か前オーナーに過去の損益計算書をもらって参考にします。新築マンションは比較対象がないため、周辺の家賃相場や地価などから予測してみましょう。
土地や管理状況をチェックする
建物の外観や築年数だけではなく、マンションが立っている土地や管理状況もチェックしておくといいでしょう。土地であれば「整形地(正方形や長方形)」かどうか、どんなエリア(不人気エリアは将来的に資産価値が下がる可能性あり)にあるかは、資産価値を決めるポイントになります。
さらに「マンションは管理を買え」とも言われるほど、管理状況が大切になります。一棟マンションともなれば管理が大変なので、日頃の修繕状況や清潔感などは重要です。駐車場やエントランスなど共用部分の清掃が行き届いているかで、管理の質がある程度わかります。
転売という出口戦略も考える
一棟投資マンションの購入時に気を付けるべき点の1つに「ローンが組みやすいマンションか」という部分が挙げられます。
ローンが組みにくいマンションの特徴としては、高利回りの物件に多いのが「再建築不可」「築個物件」「違法建築」などです。こうしたマンションはローンが組めない可能性があるため、どうしてもマンションを転売したいという状況になった際に、相手が購入しようにもローンを組めない状況になりやすいです。
つまり、転売自体が厳しくなってしまいますので、出口戦略を事前に考えたマンション選びをしましょう。
一棟マンション投資よりリスクが少ないのは、区分マンション投資
以上、一棟マンション投資の裏側、知っておくべきリスクについてお伝えしました。
コラムの冒頭でも少し述べましたが、一棟マンションよりもリスクが低い投資が、区分マンション投資です。
一棟マンション投資ほどの大きなキャッシュフロー(実利益)は入らないですが、マンションを一棟土地ごと買う訳ではないので、初期費用が少なく済み、ローンを組みやすいです。
また、不動産投資にまつわる各リスクの影響が、少なくて済むこともポイントでしょう。
区分マンション投資ならではローリスク・ロングリターンの特徴から、「不動産投資の初心者にオススメなのは区分マンション投資」と言われているのです。
ただ不動産投資について極めようと、常に勉強をしていく心構えがあるのなら、ゴール地点を一棟マンション投資に設定しておくことも、悪くはないです。
安易に手を出すことは危険な一棟マンション投資ですが、起こり得るリスクを想定しながら、じっくりと時間をかけてマンションを選ぶことができれば、“成功投資家”へたどり着けるかもしれませんね。
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区分マンション投資について詳しく知りたい方は「区分マンション投資を選ぶ5つのメリット | どんな人に向いている?」で解説していますので、併せてご覧ください。
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