サブリース契約は解約できるのか? | 解約条件や必要な流れを解説
サブリース(家賃保証)は、入居者がいなくても家賃が入るシステムのことを指します。
とても魅力的なシステムに思えますが、実際にサブリースの契約についてネットで調べてみると、「危険!」または「騙されてはいけない!」といった、注意喚起が溢れていることが現状です。
サブリースに関する注意喚起を目にしたオーナー志望の方々からは、以下のような”不安の声”が数多く挙がっています。
- サブリース契約って危ないものなの?
- 危ないと思った時に、サブリースを解約することは不可能なの?
- もしもサブリースを解約したくなったらどうしたらいいの?
今回は、こうした不安を抱える方のために、サブリースの解約の可・不可、そして解約の条件と解約の流れについてお伝えします。
目次
サブリース=解約不可という印象があるのは解約条件が厳しいから
「サブリース契約=解約不可能」というイメージが強いのはどうしてなのでしょう?
答えは、サブリースの解約をするための条件が非常に厳しく、乗り越えなくてはいけない壁が高いからです。
以下で、サブリースの中途解約が厳しいと言われる3つの要因を、簡単に解説していきましょう。
1.サブリースの解約に正当事由が必要
“サブリースを解約してもいい、しかし正当事由がある場合のみ”という内容のサブリース契約があります。
この場合の、正当な事由とは何なのでしょう?
実は現状、サブリース契約全体における正当事由にどんな事情が該当するのか、明確に定められてはいないのです。
上記は「管理会社によって認める正当事由の基準は異なる」とも、言い換えることができます。
実際、ネットでサブリースを解約するまでに至った判例を調べてみても、オーナーの主張の何が正当事由にあたったのか、個別の事情が絡んで千差万別であり、これといった特性はないものと思われます。
少なくともオーナーだけの都合を、正当事由として通すことは難しい傾向が見られました。
「解約には正当事由が必要だが、何が正当事由にあたるのか分からない」という理由で、管理会社の同意なしのサブリース解約は、ほぼ不可能と判断されているのでしょう。
2.管理会社には借地借家法が適用されている
建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
―― 引用:借地借家法 第32条1項
何か小難しいことが書かれていますが、要は「サブリースの保証金額は物件価値の変化があった場合や、近隣物件と比較して家賃相場が下がる(見込める家賃収入が減額する)場合に、変更することができる」と、法律で管理会社は認められているという内容です。
そのため管理会社が行う査定は正当なものであり、「保証金額が下がった!」という主張は、先述した正当理由には該当しないのです。
こうした法があるにも関わらず「物件を所有している間、100%サブリースの保証金額が変わらないです!」とセールスしてくる営業マンには少し警戒が必要で、釣られてすぐにサブリース契約を結ばないほうがいいです。
3.サブリースの解約はできても違約金が高額なケースがある
サブリースの解約については、あっさりと同意してもらうことができたとしましょう。。
ただし、“中途解約を行う場合は違約金が発生する”としている管理会社は多いです。
その違約金の金額というのも、正当事由の基準と同じく管理会社の裁量で決められています。
個人によって経済観念は異なるので「違約金が高すぎて払うことができない、だから解約できない!」と、頭を抱えるオーナー様が多いことが現状です。
サブリース契約を解約するまでの5つの手順
さてここまでは、サブリースにおける契約上にない中途解約、あるいは管理会社の同意がない途中解約のハードルが、やはりどうしても高いことについてお伝えしてきました。
「それでもサブリースの解約方法を知っておきたい!」という方は、以下のように動いてみてください。
もちろん100%、解約が成立することを保証するものではありませんが、「ものは試し」と考えるであろう方に向けて、まとめました。
1.サブリースを解約するデメリットを理解する
- 高い違約金がかかる場合があること
- “空室が多い状況”でのサブリース解約後、
入居者募集期間中は家賃収入が、サブリース収入より低くなる場合があること - “物件の管理を怠られたままの状況”でのサブリース解約後、
共用部の清掃や修繕などの、メンテナンス費用が必要な場合があること
つまり、サブリースの解約にあたるためには、ある程度お金の準備が必要だということです。
それを踏まえたうえでも、「明らかにサブリースの解約に踏み切ったほうが経済的にいいはず」と確信したなら、次の流れに移りましょう。
2.サブリースの解約後に自分がどう動くか考える
もしも管理会社とのサブリース契約を解約したら、他の管理業務(トラブル対応や入居者の募集など)も合わせて解約される場合に備えて、解約以降のオーナーとしての動き方をイメージしておかなくてはいけません。
今の物件の価値や入居状況など、自分で確認できることは、ひと通り頭に入れておきましょう。
特に焦点をおくべきなのは、新しい管理会社を探すか否かです。ここでは、「自主管理に移行するかどうか?」も選択肢に入ってくるかと思います。
もしもサブリースの契約や、その他の対応について不満があったのなら、新しい管理契約は優良な管理会社と慎重に結ばなくてはいけませんね。
3.サブリース契約書の内容を確認
これまで何度も目を通したかもしれませんが、サブリースの解約にあたるなら再度契約書を精読し、各条項を確認します。
「甲」「乙」がややこしくて読みづらいかもしれませんが、オーナーのことを「甲」、管理会社のことを「乙」と表記していると理解して、根気よく読み進めていきましょう。
- 中途解約事項は入っている?
- 契約期間はいつに設定されている?
- 維持管理や修繕費用の区分 ※解約後の出費に関係
- サブリース会社”が”、契約違反した場合に契約を解約できる? …etc
基本的に、”契約事項の何条にどんな内容が明記されているのか把握する”ことが必要です。
何故契約事項を改めて確認する必要があるのかというと、次に説明する「解約通知書」で、解約理由(管理会社視点では正当事由)を明確に示すためです。
4.サブリースの解約通知書を作り、管理会社に送付する
管理会社にサブリース契約の解約意向を通達するために、解約通知書を作成します。
解約通知書の書き方が分からなくても、今はネット検索で解約通知書のひな形が出てくるので心強いですし、解約通知書においてきわめて重要なのは、次の2点のみです。
- サブリース契約書のどの条項に基づいて、どんな理由で解約をするのか
- サブリース契約を、いつ解約したいのか
これらが明確に分かる文面の解約通知書を作成し、管理会社に郵送あるいはFAXします。
解約通知書を郵送する場合は、誰が・誰宛てに・どんな内容の手紙を郵送したのか、郵便局が記録として残してくれる、内容証明郵便を利用することが安心です。
解約通知書を郵送するにせよFAXするにせよ、送りっぱなしにして反応を待つのではなく、 必ず管理会社に1本の電話を入れて「解約通知書を送付したのですが、届いていますか?」と確認してください。
5.管理会社と解約に向けた話し合いをする
解約通知書を送付した以降からどのように展開するのかは、管理会社の方針によりけりです。
電話で話し合いを進める場合も、オーナーが管理会社に訪問して話し合いを進める場合もあります。
管理会社からすぐに同意を得られるかどうかで、解約が完了するまでに必要な時間は大きく異なります。
サブリース契約書の書面上、サブリースの途中解約に何ら問題が無い場合は、まれに即日で解約が完了することもあるようです。
ただ基本的には、トラブルなく交渉が進んだとしても、解約まで大体3~6ヶ月はかかる見通しでいましょう。
サブリースの解約交渉時によくあるトラブルの対策
サブリースに限らず、何らかの契約の解約時には、様々なトラブルが起きがちです。
完全にトラブルを防ぐ術は無いにせよ、管理会社と揉めに揉めて、心労が重なってしまうことが無いように、ある程度の“予防線”を張っておくことが推奨されます。
まず多いのは、言った・言わないのトラブルです。
残念ながら「前に保証金額は下がらないと言ったのに!」と、過去の口約束を責めてもどうにもなりません。
(この場合、保証金額が下がることはないという前提が法律上間違っているので、口約束の証拠が仮に掴めていたとしても、有効ではありません。)
ですからせめて、解約交渉時のやり取りは明確化し、文面に残して管理会社・オーナー様の共通認識にしておくことが望ましいです。
また、サブリース契約書の内容から解約する条項が見つからない、管理会社に途中解約をという場合に、自力で何度も交渉したり、直ぐに裁判に持ち込むことは、労力的にも金銭的にも止めておいたほうが賢明です。
自力で全て解決しようとはせず、国土交通省・消費者庁がアナウンスしている相談窓口や、サブリース契約のトラブル解決の専門家に話を聞いてみるといいでしょう。
要は、“どうにもならない時はしかるべき機関に相談する”べきだということです。
⇒ 国土交通省・消費者庁がまとめている相談窓口のページ
※国土交通省・消費者庁の別ページへのリンクが開きます。
【まとめ】契約書に無い中途解約は難しいため、最初のサブリース会社選びが肝心
- 管理会社が同意していないサブリースの中途解約は難しい
- 交渉が難航しそうなら、相談窓口や専門家・弁護士への相談を検討する
以上、サブリースの解約の可・不可、そして解約の条件と解約の流れについてまとめました。
ここまでの内容を踏まえて、「やっぱりサブリースは結ばないほうがいい!」と怖くなった方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。
サブリースがオーナーに対して害しかないシステムであるなら、とっくに淘汰されているはずです。
まず大切なのは、サブリースに関して少しでも悪い噂のある会社は選ばないこと。
「何だか信用できないな…」という自分でもよく分からない直感も、意外と頼りになることがあります。
そしてサブリースの内容を明確にしてから、契約を結ぶこと。
言った・言わないではなく、契約書上に反映されるかどうかが肝心です。
最後にそもそも、サブリースでようやく利益が出ること前提で、投資用不動産を購入することは悪手であることの理解が必要です。
「サブリースはアテにするものではなくて、上手に活用するものである」という認識が大切ですね。
東京で投資用不動産販売を行う、当社「グランヴァン」にも、管理業務の一環としてサブリース(家賃保証)システムがあります。
“オーナー様の幸せを第一に考える”ことをモットーに適切な査定、およびそれで決まる業界トップクラスの保証賃料を強みにしてきました。
サブリースの契約を締結する前に、オーナー様が持つ疑問点・不明点をすべて解消して納得いただけるまで、真摯に相談を承っておりますので、どうぞご安心ください。
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