海外の不動産投資を行うメリットとデメリット | カントリーリスクも解説
「海外物件を対象にした、不動産投資・運用を始めてみよう!」という意見を、近年よく耳にします。
その意見を裏付けるように、海外の物件をメインに取り扱う、投資用不動産販売会社も確かに多く在るようです。
ただ、不動産投資の初心者にとっては、海外での不動産投資なんてまったく想像もつかないことなのではないでしょうか?
今回は、どうして海外での不動産投資が注目されているのか簡単におさえたうえで、海外不動産投資のメリットやデメリットを分かりやすくまとめました。
目次
海外の不動産投資を行うことがなぜ注目される?
※海外の不動産投資先として人気が高いベトナムの都市
海外不動産投資・運用を行うメリットとデメリットを説明する前に、そもそもなぜ海外不動産投資を行うことが注目されているのか、その理由と現状を簡単に説明しておこうと思います。
海外に不動産を持つオーナーさんは、「日本の経済発展がこれ以上は見込めない」と、厳しい言い方をすれば日本経済に“見切り”をつけて、海外の不動産を購入されるケースが多いです。
そのため、海外の不動産投資先としては、フィリピンやベトナム、マレーシアやインドネシアなど、経済の発展に大きな”伸びしろ”が見込まれている国々が人気です。
また、上記で挙げた東南アジア系の国々に次いで、最近はハワイを含むアメリカでの不動産投資も増えてきました。
これについては、「”アメリカに不動産を持っている”ということ自体に、魅力を感じる方が多いのでは?」という推測が立っています。
要は、経済発展が日本よりも期待できるから、あるいは個人的な憧れの実現のために、東南アジアの国々やアメリカでの不動産投資需要があるということです。
海外物件を対象に不動産投資を行う3つのメリット
※海外の不動産投資先として人気が高いマレーシアの都市
- 利回りがいい物件を、安く購入することが可能
- 日本の不動産投資よりも節税効果が期待できる
- 欧米の場合、オーナーの権限が強い
海外物件を対象に不動産投資を行うことには、大きく分けて上記3つのメリットがあります。
以下でそれぞれのメリットを簡単に、解説していきましょう。
【1】利回りがいい物件を、安く購入することが可能
海外(特に東南アジア)には、利回りがいい物件が多いです。
日本の場合、収益性の高い不動産は、その分購入するためにお金がかかる傾向があります。
「いいモノは、それなりに値が張る」という根本的なマーケットの法則が、不動産売買にも影響しているわけですね。
海外に建つ不動産であっても、その法則から著しく外れるという訳ではありませんが、日本と比較すれば例外が生まれやすいです。
例えば、人口が右肩上がりの国の場合、人の数に対し住む場所が足りなくなるので、日本であれば空室になりやすい条件の物件でも、空室が出にくくなります。
つまり日本の場合、過疎地のアパートなどを安く購入し運用することは、空室リスクの高さから推奨できないのですが、人口増加中の国にある不動産の場合は、比較的空室が埋まりやすいので、分かりやすく利回りが良い物件を選べるケースが多いのです。
【2】日本の不動産投資よりも節税効果が期待できる
- 印紙税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 固定資産税
- 所得税
- 消費税
- 都市計画税
- 住民税 …etc
上記は、日本国内で投資用不動産を購入・運用する最中にかかる、税金の種類の例です。
こうして並べてみると、「結構重いものだ」と感じる方が、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
海外にある不動産を購入する場合、日本の税制は適用されません。
その代わり、その不動産がある国の税制が適用されることになりますが、日本よりは不動産にかかる税金の種類・金額が少ない国が割と多いので、結果として大きな節税効果が生まれるケースがあります。
「日本の不動産投資でも節税効果が期待できるのでは?」という、疑問を持たれている方は、ぜひ下記コラムをご参照ください。
日本の不動産投資・運用で大きな節税効果が期待できるのは、相続税および贈与税なのです。
【3】欧米の場合、オーナーの権限が強い
これは欧米、特にアメリカで顕著なメリットなのですが、不動産のオーナー権限が強いという傾向があります。
日本の場合、「家賃を払ってくれない」など、収益を大きく損ねるような悪質入居者であっても、オーナーの権限のもと退去してもらうには、諸々面倒な段階を踏むことが必要です。そこまで、オーナー権限が強くはないということですね。
アメリカの場合、そのあたりの面倒なやり取りはせず、強いオーナー権限で悪質入居者には即退去をしてもらうケースが、珍しくありません。
オーナーが何らかのアクションを即決断・実行に移せることは、アメリカ特有の不動産運用のスタイルだと言えるでしょう。
海外物件を対象に不動産投資を行う4つのデメリット
- 融資をうまく使えない場合が多い
- プレビルド物件の購入に関するトラブルが多い
- 為替の変動で月々の支払いができなくなる可能性がある
- 仲介業者や管理業者が日本ほど機能していない
「高利回り物件を安く購入できるかもしれない」、あるいは「税金を日本よりも安く済ませられるかもしれない」といった、海外不動産投資ならではのメリットがある一方で、無視できない海外不動産投資ならではのデメリットも多くあります。
以下で海外不動産投資の4つのデメリットを、それぞれ詳しく見ていきましょう。
【1】融資をうまく使えない場合が多い
日本で不動産投資が薦められている大きな理由の1つに、多額の融資を受けられることが挙げられます。
金融機関から8~9割近くの融資、あるいはフルローンを受けることで、手持ち資金が少なくても良い投資用不動産を購入することができますし、さらにはテコの原理を言い変えた「レバレッジ効果」も期待できます。
しかし海外の場合は、不動産投資に有利な融資を使えないことが多いです。
融資が使える国もあるにはありますが、その限度額は日本ほど高くはなく、多くの頭金を用意しなくてはいけません。
融資が使えない場合、レバレッジ効果が無い現金一括購入で不動産を購入するか、まだ建築企画段階にあるプレビルド物件を購入するかが、主な選択肢となりますが、後者の「プレビルド物件」には、プレビルド物件ならではのデメリットが別に存在します。
それについては、項目を移して述べることとしましょう。
【2】プレビルド物件の購入に関するトラブルが多い
※途中で建築が止まってしまったビル
多額の融資を受けることができず、一括支払いができるような手持ち資金もない場合に、プレビルド物件の購入をすすめられることがあります。
しかし、プレビルド物件の購入については、その不透明さから「推奨できない」と論じている専門家が多いです。
先ほども述べたように、プレビルド物件はまだ建築企画段階にある不動産のことで、建築済みの不動産と比較すると安いですが、計画そのものが頓挫する可能性を考慮しなくてはいけません。
現地の仲介業者の見込みが甘いと、最初に聞いていたような良い不動産が最終的に建たなかったり、さらにいい加減な仲介業者だと、計画が頓挫したまま行方をくらましてしまうケースがあります。
「数年後には、良い投資用不動産が建つから」という売り文句に魅かれて、プレビルド物件を購入したものの失敗したという話は、ネット上でもかなり多く確認できます。
【3】為替の変動で月々の支払いができなくなる可能性がある
海外の不動産を購入・運用するにあたって怖いのは、為替変動リスクです。
もちろん変動の結果、運用面でプラスにはたらく場合もありますが、あくまでそれはただの”ラッキー”に過ぎず、為替の変動が運用に悪影響を及ぼす可能性を度外視することは、非常にリスキーです。
為替の変動の結果、月々の支払いが膨れ上がり、まだ元の取れていない海外の不動産をやむなく手放したという話も聞きます。
【4】仲介業者や管理業者が日本ほど機能していない
日本は良くも悪くも「値段以上の細やかなサービス」を売りにしている企業が多いですから、そのきめ細やかさに慣れていると、海外の不動産仲介業者・管理業者と契約した時に「それは管轄外なの!?」と驚くことがあるかもしれません。
日本の場合、1つの業者が投資用不動産や融資先の金融機関の紹介をしてくれて、さらに購入後は物件の管理や入居者対応、入居者募集などアフターサポートをしてくれることが珍しくありません。
しかし、途上国においては業者からトータルサポートを受けられることは稀(まれ)だと思っていいでしょう。
結果、オーナー自身が動かなくてはいけない部分が必然的に多くなります。
言語も文化も違う国の不動産に対して、日本にいながら、ただでさえ難しい不動産の自主管理を行うことのハードルが高いことは、想像に難くありません。
【CHECK】海外不動産投資に常在するカントリーリスクの大きさ
海外不動産投資において常在し、決して看過することのできない大きなリスクに、「カントリーリスク」が挙げられます。
日本と異なる法規制・税制があること、そしてそれが変化することが、第一のカントリーリスクです。
もしも不動産所有の法が変われば、最悪の場合、所有不動産を没収されるおそれがあります。
さらには、その国の治安が急激に悪化する可能性も、カントリーリスクとして考慮しなくてはいけません。
経済の発展が目まぐるしい国には常に変化があり、その変化が時として不動産運用に大打撃を与えるリスクを踏まえ、現地の情報収集に努めなくてはいけません。
海外情勢に詳しくなければ、海外不動産投資は推奨できない
海外不動産投資を行うメリット | ・利回りがいい物件が安い ・日本よりも節税効果が期待できる ・オーナーの権限が比較的強い |
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海外不動産投資を行うデメリット | ・融資をうまく使えない ・プレビルド物件トラブルが多い ・為替が変動する ・不動産業者が日本ほど機能していない |
以上、海外の不動産を対象に投資・運用を行うメリットとデメリットについて、お伝えしました。
確かに海外不動産投資には、日本の不動産を対象に行う投資には無いメリットが存在しますが、それにしては「代償が大きい」と言える、カントリーリスクも同時に存在することを、念頭に置かなくてはいけません。
カントリーリスクを回避し、海外不動産投資ならではのデメリットを補いながら、堅実な運用を続けていくためには、海外情勢に相当詳しくある必要があり、なおかつ常に最新の情報をキャッチしておかなくてはいけません。
これは、投資初心者の方や仕事の忙しい方、海外情勢に関する知識がまったく無い方にとっては、かなりエネルギーが必要なことです。
なおかつ、海外情勢の把握を徹底していたところで、”不動産投資そのもののリスク”を回避することはできません。国内で不動産投資を行うのと同様、100%うまくいく訳ではないのです。
つまり、“投資初心者の方が、あえて海外不動産投資に手を出す必要性は無い”と、結論付けることができるでしょう。
よほど明確な目的と情熱があって、海外不動産投資を検討しているのでなければ、まずは日本国内の不動産投資から始めることを推奨します。
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