トランクルーム投資とは?高利回りの秘密やリスク・成功のポイント

 

トランクルーム投資って御存知でしょうか?

昨今流行の「持たない暮らし」や、東京・大阪など過密な都市部のマンションの面積が小さく、家族が増えて収納スペースがないことから、日常使わないものの保管場所として「トランクルーム」の利用が増えています。

トランクルーム需要が増えている中、トランクルームを対象として投資をする商品も増えています。

一部の商品で高利回りがうたわれていますが、本当にそんなに利回りが出るのでしょうか?

この記事では、

  • 「トランクルーム投資の仕組み」
  • 「高利回りの秘密」
  • 「リスクや成功のポイント」

を挙げていきます。

「トランクルーム投資」とはいったい何なのか?メリット・デメリットを整理

「トランクルーム投資」の始め方・初期費用

トランクルーム投資とは、空いている土地や空間を用いて、トランクルームとして貸し出す投資方法です。狭い土地でも気軽に始めることができるため、新たな土地活用方法として注目されています。

トランクルーム投資は大きく分けて、屋外コンテナタイプと屋内コンテナタイプの2つに分類されます。

屋外タイプは「バイクの収納」や「スキーやキャンプ用品など、シーズン限定で必要な大物」など、野外保管で劣化が心配されるものを置くときに主に使われている方法です。遊休地にコンテナを設置し、貸し出します。

屋内タイプは都市部の元オフィスビルや元マンションの活用事例として多く行われていて、書類や精密機器など、保管状態が大切な保管に適しています。建物内のスペースを区切って貸し出します。2階以上の建物で行う場合は、エレベーターなどが必須となります。

それぞれの初期費用はどの程度でしょうか。

屋外では、業者利用前提で300~900万円程度かかるといわれています。事務関連費、看板代、営業費などが組み込まれており、道路状況によっては道路整備費が発生することもあります。

屋内では、業者利用前提で200~600万円程度で済みます。内装工事を自前でやる場合はこれに内装工事費用が追加されます。

トランクルーム経営のランニングコストは?

初期費用に加えてランニングコストがそれほどかからないことも、トランクルーム投資の特徴です。

マンション・アパートに比べ人が中に住まないので、使用劣化が比較的少ないことが原因です。

コンテナの状態を保つためのメンテナンス費用や電気代、突発的に発生するシャッターの修理代やコンテナの塗り替え代などは負担の必要がありますが、数千円から数万円ほどで運用可能です。

「トランクルーム投資」の将来性

2021年4月8日時点で2020年度の国内収納サービスの市場規模は、前年比2.3%増の774憶7,000万円になると予想されています。

これは2011年度の市場規模の約1.7倍に拡大したことになります。拠点数についても13,000カ所を超える水準に達しました。

収納サービスは人口密集地での需要が高いため、小規模のレンタル収納や新規店舗の出店が市場拡大の要因です。共有方法が多様化していることもあり、市場規模は拡大傾向にはありますが、成長率でいうと鈍化傾向にあります。

トランクルーム市場に限っていえほぼ横這いですが、僅かに拡大する傾向にあります。レンタル収納やコンテナ収納の利用者の認知度が向上し、相対的にトランクルームの利用者も増加していると言えます。

「トランクルーム投資」の方式解説

トランクルームを運営する経営方式は下記の4つがあります。それぞれの定義と特徴を解説します。

  • 個人運営方式・・自分でコンテナや設備を手配する方法。売上は全て自分の収入なので、利回りも高いです。集客や経営、管理なども自分で行う必要があるため、不動産経営に関する知識やノウハウを学ぶ必要があります。
  • リースバック方式・・自分の土地にトランクルームを建てた後は、トランクルーム業者に全て運営してもらう方法。集客や管理などを業者がおこなってくれるため、手間をかけることなく運営が可能です。ただし、業者に支払うお金が必然的に多くなり、利回りは低めになってしまいます。
  • 業務委託方式・・自分でコンテナの設備投資と経営は行い、細かい管理などは業者に委託する方法。作業的な手間をかけることなく、経営に集中できるという利点があります。
  • 事業用定期借地方式・・トランクルーム業者に対し、自分の土地を定期借地する方式。トランクルーム業者から一定のお金を得ます。

「トランクルーム投資」のメリット

トランクルーム投資のメリットは主に以下の4つです。

  1. 低コストで運営できる
  2. 高利回りが期待できる
  3. トラブルが少ない
  4. 老朽化が賃料に影響しにくい

 

  1. 低コストで運営できる
    マンションやアパートなどに比べ、低コストで運営できる点はメリットでしょう。前述の通り初期費用、ランニングコストともに安く、手持ちの資金によっては融資を受けずに開業することも可能です。
  2. 高利回りが期待できる
    初期費用やランニングコストが低いということは、つまり高利回りが期待できるということ。稼働率が高くなれば高利回りが期待できるでしょう。
  3. トラブルが少ない
    マンションやアパートは入居者とのトラブルのリスクがありますが、トランクルーム投資は住居用ではないため、トラブルが少ない傾向。人的トラブルは極限まで下げられます。
  4. 老朽化が賃料に影響しにくい
    マンションやアパートは築年数の経過により集客が難しくなるため、賃料を下げざるを得ない状況があります。その面トランクルームは住居用ではないため、客離れが起きにくいことが考えられます。

「トランクルーム投資」のデメリット

トランクルーム投資のデメリットは主に以下の3つです。

  1. 参入障壁が低い
  2. 大きくは儲けられない
  3. 満室になるまで時間がかかる

 

  1. 参入障壁が低い
    高利回りで運用できるトランクルーム投資は、新規参入者が多い傾向。そのため、供給過多により価格競争になってしまうことがあります。需要の高い立地に設置できても、さらに魅力的なトランクルームができれば競争にさらされます。退去後の空室も埋まりにくい傾向にあるため、この点はデメリットといえそうです。
  2. 大きくは儲けられない
    トランクルームの利用料金は、月額数千円から数万円ほど。居住用マンションなどと比べ、賃料収入は少なくなるため、大きく収入を得ることは難しそうです。
  3. 満室になるまで時間がかかる
    前述でも触れましたが、満室になるまで時間がかかる点もデメリット。トランクルームの浸透率はまだまだ低く、需要も住居のような必須需要ではなく、住居のように募集ネットワークも浸透していません。そのため、運営を開始してからしばらくは空室率が高い状態が続くケースが一般的には多いです。稼働率が80%を超えるのに1~3年はかかるといわれています。

トランクルーム投資の利回りはなぜ高めに出るのか?「名目利回り」という概念

トランクルーム投資をするにあたり、利回り計算は必須。利回りには名目利回りと実質利回りの2種類があります。

名目利回りは、満室時の収入をベースに計算されており、満室時にどの程度収入が見込めるかを算出します。

実質利回りは、手数料やメンテナンス費用、税金などを引いた「手元に残る収益」です。

トランクルーム投資で頻繁に提示される利回りは、名目利回りであるため注意が必要なのです。

名目利回りと実質利回りの算出方法

では具体的に、名目利回りと実質利回りの算出方法を紹介します。
簡単に言えば「手数料や税金などの費用を含めるか否か?」という点です。

名目利回りは、単純な収益を投資元本で割り、さらにその数値を運用年数で割ります。そして、最後の数値に100をかけたものが利回りとして導き出されます。

実質利回りは、単純な収益から費用(手数料や税金)を引いたものを投資元本で割り、あとは名目利回りと同じ方法です。

 

例えば工事費用が190万円、監視カメラの設置などの合計初期費用が370万円としたときの月額賃料が15,000円、20室を1年間運用した場合の実質利回りを考えます。

年間収益が360万円、管理委託手数料が収益の10%、電気代10万円/年間、家賃が月額18万円×12か月とすると年間のランニングコストは、262万円となります。

よって実質利回りは、(360万円 – 262万円)÷370×100=26.5%の実質利回りとなります。

 

手数料や税金は無視できる数字ではなく、提示されている利回りが名目利回りなのか、実質利回りなのかを意識して投資する必要があります。

それぞれの利回りの概念が分かったところで、トランクルームの実質利回りは一般的に15~20%程度と言われています。マンションやアパートが3~8%程度といわれている現代において、この利回りが非常に高いことは明白です。

これはメリットで解説したように、初期費用やランニングコストが低く、短期間で回収できるため。

経営を開始して早い段階で初期費用を回収できるため、比較的利益を生み出すのが早い傾向にあります。

トランクルーム投資のリスク

トランクルーム投資について、4つのリスクを紹介します。特に保管物のトラブルに発展する可能性があるため、注意しましょう。

空室リスク

借手が見つからないと、月額の家賃を支払っている場合は収益がマイナスになる可能性があります。

トランクルーム投資では、なるべく需要の高い人口密集地に設置することが重要です。特にアパートやマンションは、収納が足りないと思っている住民が多いので空室リスクを軽減できます。

空室を減らすには、利用者に「継続したい」と思わせるような設備を設けることが大切です。例えば、防犯カメラ、駐車スペース、空調設備などです。

保管物の劣化に伴うトラブルのリスク

衣服などを保管している場合は、空調設備も必要になります。屋外コンテナに空調設備が無い場合には、高音・多湿により利用者の荷物が劣化します。

劣化したことによるトラブルを避けるために、利用者に十分な説明を行う必要があります。契約時にも高温・多湿で劣化するものは保管しないなど記載するとよいでしょう。

賃料下落のリスク

トランクルームの供給過多により価格競争が起こってしまうと、賃料を下げざるをえなくなるでしょう。トランクルーム投資は、長期投資が前提にあるので、リスクが高まる前に対策を考えておきましょう。

盗難リスク

トランクルームは不特定多数の荷物が保管されているため、セキュリティ対策は万全である必要があります。

屋外のトランクルームでは、鍵は壊れにくいもの、侵入防止のフェンスや防犯カメラ、警備システムの導入など監視体制を整えることも重要です。

屋内のトランクルームでは、防犯カメラ、入口のオートロックを追加する、スタッフを配置するトランクルームも増えてきています。

防犯のためには、見通しや人通りが多い場所、夜間でも明るい場所が立地として最適でしょう。

万が一、盗難に遭った場合に備えて保険に入ることも考慮しましょう。

トランクルーム投資成功の3つのポイント

まず重要なのは、

  • 空室リスクのない立地を選定すること

です。

トランクルームは、基本的に「家庭で収納しきれないものを収納する」という需要がほとんどなので、立地が非常に重要です。具体的に言えば、収納が比較的少な目なマンションの多い立地が需要が高いと言えます。また、供給側の観点で言えば、他社のトランクルームの数の多寡も立地の大きな選定ポイントです。トランクルームが過密な地区では、空室リスクも高まってしまいます。

つぎに、

  • 保管需要に対応するコンテナのサイズ選定を適確にすること

が重要になります。トランクルームを利用するユーザーは、比較的個人利用が多いため、個人向け需要に対応するサイズ選定も重要です。あまり大きすぎても持て余してしまう可能性が高いですし、小さすぎると収納の用途を満たさなくなってしまいます。

最後に、

  • 集客力に定評のある業者を選ぶこと

が重要になります。

住居用不動産のように募集ネットワークが確立されていないのは前述の通りです。居住用物件のように簡単に潜在顧客の掘り起こしはできないので、広告・営業・マーケティングなどで独自の集客ルートを確立している業者を選ぶことが最重要課題です。

まとめ:トランクルーム投資の成功に近道なし。地味で地道な調査や戦略を実行できるかどうか

トランクルーム投資は、ポイントをしっかりとおさえることで、利回りを出せるビジネスです。しかし、決して簡単なものではありません。

トランクルームの需要は、都市部で非常に高いですが、戦略を正しく立てて実行していくことでやっと、利回りを上げることができることを認識するべきでしょう。

「自分の今持っている、空いている土地を活用しよう」
「とりあえずトランクルームが儲かるらしいからやってみよう」という発想では、投資を失敗してしまう可能性も高くなってしまいます。

トランクルーム投資業者の投資提案を鵜呑みにするだけではなく、「その収益シミュレーション以外にも他のリスク・地域の事情・他の変数が無いか?」を徹底的に考えるようにしましょう。

トランクルーム投資を考えている地域の情報収集は綿密に行ない、ビジネスのアンテナを広げ、失敗しないトランクルーム投資を計画していきましょう。

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